水族館のラッコが122→3頭に激減、一体どうして… 「消えた理由」にショック
水族館の人気者であるラッコ。現在、国内の水族館で3頭のみになっていて…。
水の中にぷかぷか浮かび、貝をお腹で叩いて割る──。愛くるしい表情から、ラッコは水族館の人気者だ。
ネット上では、そのラッコが見られなくなることを心配する声があがっていて…。
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■国内の水族館に3頭となったラッコ
事の発端は、7月下旬に投稿されたあるX(旧・ツイッター)ユーザーの投稿。内容としては、最近水族館でラッコを見かけなくなったというもの。
ラッコは1982年に初めて日本にやって来て以降、全国の水族館で見られるようになった。1994年には国内で122頭になり、愛くるしい表情から水族館の人気者に。
しかし、その後頭数が激減し、都内の水族館から姿を消した。現在、日本の水族館で見られるラッコは三重県・鳥羽水族館の2頭と、福岡県・マリンワールド海の中道の1頭のみ。つまり、国内の水族館に3頭しかいないことになる。
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■ネット上で驚きの声
ラッコが貴重な存在になっていることはネット上でも話題に。
「前はどこにでもいるイメージだったのに」「国内でラッコが見られる水族館は2ヶ所ってまじかよ…」「子供の頃、水族館のラッコ見て夏休みの日記に書いたのに」「マリンワールドのラッコそんな貴重だったとは。地元民ですら知りませんでした」など、驚きの声が多数あがっている。
なぜ、ラッコはこれほど減ってしまったのか。貴重な2頭を飼育している鳥羽水族館に取材したところ、「意外な事実」が明らかになったのだ…。
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■ラッコの数が減った理由は…
鳥羽水族館の担当者によると、本来ラッコは繁殖力が強い生き物だという。担当者は頭数が減った背景に関してこう分析する。
「日本で飼育が始まって10年ほどは非常に活発な繁殖行動がみられ、飼育頭数は増加していきました。しかし、国内の施設で繁殖を繰り返すことにより繁殖力に問題が出てきました。また、海洋哺乳類保護の観点から、アメリカ国内において海棲哺乳類の捕獲が厳しく制限されるようになったことで、新しい血統を導入することもできなくなりました」。
海外からラッコを輸入するのが難しくなったことに加えて、個体の老齢化が進んだことも相まって、段々と頭数が減ってきていると考えられるとのこと。
ピーク時には、国内の水族館で122頭飼育されていたが、半数以上が国内で繁殖された個体だったという。担当者によれば、この頃からラッコの数が減少する要素があったとも考えられるとのこと。
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■「体調管理を徹底」
鳥羽水族館では、貴重な3頭のうち2頭を飼育している。生育や展示の際に気を付けていることはあるのだろうか。
「日々の体調管理には神経を使っています。特に、体調管理を主な目的として行っている、餌の時間のハズバンダリートレーニングを重要と考えています。ラッコの体に直に触れて、体に傷や異変がないか確認するだけでなく、餌中のパフォーマンスの要素でもあるジャンプ動作や直立姿勢などの維持を観察し、運動機能に異変がないかもチェックしています」(担当者)。
常にラッコの体調を気にかけていることが窺える。取材の最後に担当者から、「ラッコ達を見てかわいいと感じていただくことを入り口に、ラッコを含めた動物達に興味を持ってもらうだけでなく、動物を取り巻く環境にも意識を向けてもらうことができるよう、2頭とも1日でも長く生きてほしいと思っています」というコメントが寄せられたのが印象的だった。
この夏、ラッコを見る機会があれば、人気者を取り巻く問題についても考えてほしい。
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■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に取材。飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。
仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。今期の推しは、『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)と『ばらかもん』(同系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)