マツキヨPBの廃盤ヘアムース、どうしても在庫を買いたい時のダイナミックな「裏ワザ」

【鈴木貴博『得する経済学』】当コラム定番の「廃盤商品を探す」シリーズ。今回は難易度がかなり高い「PB商品の廃盤商品をどう探すか?」がテーマです。

2023/09/24 04:15


ヘアムース

「2店舗まわってゲットできたのが1本か。思ったよりも効率が悪いなぁ」

これまでも何度かこのコラムで入手困難な廃盤商品をゲットする裏ワザを紹介してきました。今、わたしが探し回っているのはマツモトキヨシPBのヘアムース。廃盤商品です。

ことの発端はこの夏、イメージチェンジで髪型を変えたのです。流行を取り入れて『どうする家康』のムロツヨシさん演じる秀吉風のボサボサヘアーにしてみました。それで整髪料もヘアワックスからムースに変更。

ヘアスタイルを変えたその日にマツモトキヨシに行くと5種類のPB商品のムースを売っていました。その中から、「ウェットタイプがいいな。水も滴るいい男って言うし(死語?)」と思って買ったのです。ところが何気ないこの日の行動が、あとで困った事態を生むことに。

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■行きつけ店で品切れに…

酷暑の夏をさわやかな“秀吉スタイル”で過ごし、その一か月後、ムースがでなくなったので、また買いに出かけところ……売ってないのです。前は5種類並んでいた棚に4種類しか。それで店員さんにたずねたら“商品入れ替えで今後はウェットだけは入ってこない”というのです。まさかの廃盤です。

仕方なくその日は「ウェーブスタイル」という違ったタイプのムースを買いました。使ってみるともちろん悪くはなくて髪型もまとまるのですが、水も滴る感がどうしても出ない。

「やっぱりウェットタイプが欲しいな」と心から思ったわけです。

さて、わたしはプロの経済評論家なので、このような廃盤商品の手に入れ方は読者の皆さんよりもよく知っています。実は今回は難易度が少し高い。というのもPB商品の廃盤ですから、今ある在庫を店頭で売り切ってしまったところでおしまいです。メーカーに在庫が戻ってくるわけではありません。ですからマツキヨの店舗を回って売れ残っている商品をゲットする必要があります。でもどうやって探せばいい?


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■まずは「アットコスメ」

そこで裏ワザその1です。化粧品やヘアケア商品の在庫情報といえば、そう、化粧品の情報サイトであるアットコスメが便利に使えます。さまざまなブランドの商品を紹介しているだけでなく「この商品が買えるお店を探す」という魔法のようなボタンがあるのです。

実際にチェックしてみましょう。まだ普通に売っているマツキヨのムースの場合「商品が買える」ボタンで探すと東京都新宿区ではマツキヨ21店舗で売っています。ところが廃盤の「ウェット」だと4店舗しか置いていないと表示されています。

「だったらその4店舗に行けばOKだな。簡単じゃないか」と思ったのですが、そこに落とし穴が。新宿区は広いので4店舗といっても家の近くには2店舗しかない。それで出かけたところ1店舗は売り切れ、もう1店舗は在庫はラスト1本だけだったのです。


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■在庫情報がちょっと古い…効率化のためには?

以前紹介したユニクロの在庫情報の場合は、かなり高い確率で在庫があると表示されるお店には実際に在庫があるものです。ところがアットコスメのように他の店舗の情報を集めているポータルサイトの場合、情報が微妙に古いものが混じってるため売り切れ確率が高いのです。残る2店舗は神楽坂と四谷。どちらも電車で出かける必要がある上に空振りもありそうです。

「とはいえムース半年分、全部で6個は欲しいな。どうやったら手に入れられるだろう?」

と考えながらスケジュール表を見てピンときました。

「そうだ。仙台に出張する時がチャンスだ」


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■一日券を有効活用して探索ルートを計画する

ここで裏ワザその2が発動です。

わたしは経済評論家なので、地方に出張するときはなるべく仕事の前後に時間を空けておいて、その町を巡っていろいろと情報を入手するようにしています。観光名所にも行くことはありますが、メインはその町の繁華街や商業施設に出かけて、東京にはない小売店を観察するのです。

その時によく使うのが一日券です。仙台の場合は地下鉄の一日券が840円。4回乗ると元がとれるので通常は一往復は視察に、もう一往復は夜おいしいものを食べに行くのに使うのですが、今回はその視察経路をマツモトキヨシ中心に設計すればよいのです。

アットコスメの情報を分析すると、仙台の地下鉄の駅近でかつウェットのムースの在庫がある(かも)と表示されたマツキヨのお店は全部で7か所。それで仙台駅近くの繁華街と、郊外のショッピングモールをメインの視察ルートに設定し、そこのマツキヨに在庫がない場合は途中の駅で下車して商品を確保する計画を立てました。

結果、1つ、3つと廃盤の残り在庫を発見しつつ、途中空振りもありながら、5つめの店舗で無事6個めのムースをゲットすることができました。仙台のこともよくわかったし、一日券、やっぱりお得だなぁ。


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■著者プロフィール

鈴木貴博

Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。

今週は「廃盤になった『PB商品』をどう探すか」をテーマにお届けしました。

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(文/鈴木貴博

鈴木貴博著『日本経済復活の書 2040年、世界一になる未来を予言する』【Amazon】

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