世界で進む企業の脱中国 日本も早期に中国依存からの脱却を
中国への警戒感から欧米企業は中国への投資を抑制。日本企業は中国依存が強いが今後はインドやベトナムを代替国とするべきだろう。
欧米のコンサルティング会社ロジウム・グループが9月に公表したレポートによると、欧米企業は投資先を中国から他の途上国に切り替える動きを活発化させているという。
■進む欧米企業の脱中国
中国の代替国として欧米企業が最も注目しているのはインドで、次いでメキシコ、ベトナム、マレーシアとなっている。
世界経済における中国の影響力は高まっているが、それでも欧米企業は中国経済の減速、事業環境や景気回復ペース、政治情勢を巡る強い懸念から脱中国を進めており、今後もこの動きは続くとロジウム・グループは評している。
最近はアップルの脱中国もメディアで報道されており、経済の対中デカップリングがいっそう進む可能性があろう。
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■日本企業も欧米企業と同じ行動を取るべき
最近、インド市場への注目が集まっているが、反スパイ法が強化され、台湾や半導体などの対立が先鋭化し、人件費が高くなっている中国は日本にとって難しい貿易相手となっている。
このまま長期的に中国依存をしていると、最近の日本産海産物の全面輸入停止のように、1つの出来事によって一気に企業利益が損なわれる事態に直面するリスクがある。今後も日中の間では政治的緊張が高まり、それによって貿易摩擦が一気に広がる可能性は誰でも想像できよう。
そういった恐れがあるならば、今のうちからできることをやっておくのが得策だろう。インドやベトナムなど今後はグローバルサウスの存在感が国際社会では目立ってくる。日本企業としては中国に執着するのではなく、そういった新興国への関与を強めた方が長期的な利益という視点からは賢い選択肢となる。
今後、日本企業は出遅れないよう欧米企業の動きを注視し、同じように中国の代わりとなす代替国を探し、そこに接近を図るべきだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)