パレスチナのイスラム原理主義組織ハマス なぜ今イスラエルに攻撃したのか
今回の軍事衝突の発端はハマスが7日あさに一斉攻撃したからだ。その背景にあるのは、イスラエルとサウジアラビアの急接近。
今回の発端は、パレスチナのガザ地区を実行支配するイスラム原理主義組織ハマスがイスラエルに奇襲攻撃をしたからだ。
■攻撃の背景にある対外的要因
当然ながら、ハマスとイスラエルでは軍事力で圧倒的な差があり、イスラエルに先制攻撃を加えれば、その何倍もの攻撃を食らうことはハマス側も十分に想定していたはずだ。
しかし、ハマスが先制攻撃に出た背景には、サウジアラビアとイスラエルが急接近していることがある。長年、パレスチナはイスラエルに虐げられてきたが、それでも踏ん張ってきたのは、サウジアラビアなど同じアラブ民族の存在があったからだ。
しかし、UAEやバーレーン、エジプトなど同じアラブ民族の国々がイスラエルとの国交を結ぶなど、近年アラブ諸国が次々にイスラエルに急接近を図っており、今後は米国の後押しのもと中東の大国サウジアラビアまでもがイスラエルに急接近していることに、パレスチナ、ハマスは強い危機感を抱いてきた。それが、今回の攻撃になったのだ。
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■今後の焦点はイランの存在
そして今後最大のポイントになるのはイランの存在だ。
イランが長年ガザ地区のハマスやイスラム聖戦などパレスチナの武装勢力を背後で支援してきた。これは紛れもない事実で、仮に今回の大規模攻撃にイランの関与や指示があったとすれば、最悪の場合イスラエルとイランによる中東全域に影響を与える中東大戦争に発展する恐れもある。
しかも、イスラエルは核兵器を保有し、イランも核開発を進めている可能性がある。そうなれば、石油の9割を中東に依存する日本のエネルギーの安全保障は根底から潰されることになり、日本に壊滅的な影響を与えかねない。極めて深刻な状況である。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)