スズメバチ遭遇時、やってはいけない命に関わる「危険な行動」 11月も要注意

スズメバチに刺される事故が相次ぐ。万が一、巣に遭遇した際やってはいけない行為とは…。

2023/10/24 04:15


スズメバチ

じめじめした暑さが和らぎ、過ごしやすい日が続いている。観光やアウトドア、スポーツに繰り出す人も多いことだろう。この時期、凶暴化するスズメバチに注意しなければならない。

今年は特に危険が高いようで…。

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■スズメバチに刺される事故相次ぐ

秋になってスズメバチの被害が急増している。9月に大分県で駅伝大会のコースを試走していた男子高校生23人がスズメバチに襲われ、10月8日には岐阜県の登山道を走っていたランナー42人が刺された。

スズメバチは攻撃性が高く、毒性も強い。最悪の場合、毒によるアレルギー性ショックで命を落とすケースも少なくない。

スズメバチから刺されないようにするため、身近にできることはあるのだろうか。日本全国のハチの巣駆除、ハチ退治を行う「ハチ110番」に取材した。


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■「11月も油断できない状況」

ハチ110番の担当者によれば、スズメバチは春(4~5月)に越冬から目覚めたハチが巣を作り、夏(6~8月)に働きバチが孵化して巣が大きくなる。秋(9~10月)は巣が最大になって新女王蜂が羽化し、ハチの数は数100~数1,000匹になる上、攻撃性も非常に強くなるという。

スズメバチ

例年、11月頃の巣は比較的ハチの数も少なく、攻撃力も弱まることが多いそうだが、今年は少々事情が異なるようだ。

担当者は、「記録的な猛暑が続いた関係で、ハチの攻撃的な時期が遅れたり長引いたりしています。本来であれば、活動が落ち着いて弱ってくる11月も油断ならない状況が続いているため、秋のお出かけやアウトドアの際も注意が必要です」と呼びかける。

猛暑によって、スズメバチの生育環境も変化しているようだ。「通常スズメバチの巣内は32℃程度に保たれた状態で子育てを行うため、巣内に水を運び込み翅(はね)を振るわせて温度を下げます。この時、水の運び込みは働きバチが行うため、例年狩りに割いている労力を長期間猛暑対策に割いてしまっているんです。また、エサである昆虫類やクモ類も猛暑で茂みに隠れ、狩りが十分にできないことも巣作りの遅れの原因になります」(担当者)。


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■ハチが巣を作りやすい場所

ニュース等で自宅にバスケットボールくらいの巨大なスズメバチの巣が作られた映像を目にする。担当者によれば、ハチが好んで巣を作るのは、「雨風や直射日光を避けられる」「閉鎖的な空間」「エサを近くで捕獲できる」という3つの条件があるという。

そのため、天井裏、ベランダ、軒下、物置やガレージ、室外機などには注意が必要だ。

担当者は、「『ハチ110番』では、住人が気付くより先に近隣住民から指摘を受けてご依頼いただくこともしばしばあります。普段人が通らない家屋の軒下などは、見逃しやすいので要チェックです。また、庭木が生い茂っていると、蜂が好む3つの条件を満たしてしまうため、定期的に手入れをしたり、忌避剤を散布することで寄せ付けない効果が期待できます」と話す。


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■巣に遭遇した際やってはいけない行動

万が一、スズメバチの巣を見つけたらどうすればいいのか。

こちらの質問に関して、担当者からは「たとえ巣が小さくても、巣をつつく、ご自身で駆除スプレーをかけるなどの行為は絶対にやめてください。また、急に走り出したり、手をバタバタと動かすといった行為も避けましょう。ハチの種類によっては、巣の見た目以上に多くのハチが巣の中にいることもあり、下手に刺激を与えてしまうと何百匹という大群に襲われかねません」という回答が。

スズメバチの巣を見つけ、飛んでいるハチを見てパニックに陥り、猛ダッシュで逃げるという行為はやってしまいかねない。ただ、場合によっては、この行動で大量のハチに襲われて命を落とすリスクがあるため、絶対にしてはいけないアクションだ。

正しい対処法に関して、担当者は、「まずはハチを刺激しないよう、静かにそっとその場から離れましょう。巣がご自宅の敷地内にある場合は、自治体のサービスを利用したり、専門の業者に対処を依頼することがベストです」と推奨している。

すぐに対処が難しい場合は、「黒や紺など暗い色のものやヒラヒラ揺れるものを身に着けない」「香水や柔軟剤、甘い香りの整髪料、ジュースなど甘い香りのするものを付けない」という2点に気をつけてほしいとのこと。

スズメバチに刺されないよう、細心の注意を払って過ごしてほしい。


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■執筆者プロフィール

斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。

某週刊誌の芸能記者を経て現職に。ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。

チェーン店からローカル店まで様々な飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/ハチ110番)

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