中国でまた日本人が懲役刑 今後も邦人拘束が続く可能性大
相次ぐ邦人の不当拘束。7月にはスパイ行為の定義が大幅に拡大された改正反スパイ法も施行。企業などは中国出張や旅行を控えるべきだろう。
日本人の不当な拘束が断続的に続くなか、中国で国家の安全に関わる違法行為をしたとして、懲役12年の判決を受けた日本人男性の上訴が棄却され、判決が確定したことが分かった。
■懲役12年の判決が確定
この男性(50代)は2019年7月に湖南省長沙市で国家の安全に関わる違法行為をしたとして拘束され、今年2月に懲役12年の有罪判決を受けた。そして、11月に入り上訴したもののそれが棄却され、判決が決定となった。
しかし、この男性がどうして拘束されたか具体的な説明は一切明らかになっておらず、ベールに隠されたままだ。
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■中国で生活を送ることがリスクに
10月半ばにも、今年3月にスパイ行為に関わったとして拘束されたアステラス製薬の50代の日本人男性が中国当局によって正式に逮捕されたことが明らかになった。
男性は中国滞在歴が20年ほどのベテラン社員だが帰国直前に拘束され、今後最長で7ヶ月かけて起訴されるかどうかが決定するため、拘束が長期化することが懸念されている。
この人物を含め、2014年の反スパイ法施行以降、これまでに17人の日本人が拘束されたが、その多くで有罪判決が下されている。今でも5人が刑期中で、スパイ行為の定義が大幅に拡大された改正反スパイ法が7月に施行されたので、今後さらに日本人の拘束ケースが増えることが懸念されている。
中国は以前のような世界の工場ではなく、ゼロコロナや不動産バブルの崩壊で中国経済は成長率も鈍化しており、若者の失業率も悪化している。
そういう見通しが明らかならば、日本企業はできる限り早く中国依存から脱却を図るべきだろう。中国で生活を送ること自体が1つのリスクになっている。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)