ウクライナにイスラエル・パレスチナ…世界で起こる戦争、中国の思惑は? 台湾問題への影響は
ウクライナ戦争ではこう着状態が続き、イスラエル情勢では解決への兆しは見えない。中国はこれを機会に台湾侵攻を本格化させるか。
ウクライナ戦争が勃発してから来年2月で2年となるが、ロシアによるウクライナ占領は依然として続き、今日のウクライナは欧米からの支援が滞ることへの懸念を抱いている。
■米国が抱く最悪のシナリオ
こう着状態は今後も続きそうだ。イスラエル情勢では、停戦と人質の解放が一部で進んでいるが、依然としてイスラエルはハマス殲滅のための軍事行動を止める意思はない。
一方、米国はウクライナとイスラエルの情勢が今後さらに緊張し、米国がさらなる関与をしなければならないシナリオを強く警戒している。米国が2つの戦争に深く関与することになれば、それだけ台湾問題へ時間を割けなくなる。
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■中国が考える現在の状況
習近平国家主席は、台湾独立を阻止するために武力行使も排除しないという姿勢を貫いている。これは今後も変わることはないだろう。
そして、米国がウクライナとイスラエル情勢の時間を割かれるシナリオは、中国にとっては都合のいいことだ。中国は米国が台湾に防衛協力を強化することに不信感を強めており、米国がウクライナやイスラエルの両問題に関与することで、台湾への支援が手薄になることを望んでいる。
来年1月には、台湾で“大統領”を選ぶ総統選挙が行われるが、ここで現在の蔡英文氏の後継者が誕生すれば、中国の台湾政策はいっそう厳しくなるだろう。
しかし、実際台湾への軍事侵攻となれば、米国がどこまで関与するかで戦況は大きく変わる。よって、今日の中国は、米国が他の戦争でどこまで介入し、それによってどこまで台湾情勢が手薄になるかを注視しているのだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)