絶望を燃料にして山頂を目指そう ファンシー鬼畜登山アクション『いもむし』プレイレビュー
見た目はかわいいけど中身は地獄。だけど曲が最高にいい苦行アクション「いもむし」を遊んでみました。
Sirabee読者の皆さん初めてまして、普段はピコピコした音楽やドット絵を作ったりして活動しているVtuberの幽霊坂ゆらぎです。
なぜこの場でゲームライターを始めたのかは私にも正直よくわかっていないのですが、ゲームは昔から大好きなので、これから頑張っていきたいと思います。
早速ですが、今回皆さんに紹介したいのは、10月27日にSteamでリリースされた『いもむし(Imomushi)』です。絵本の挿絵のような可愛らしい世界観とは裏腹に、手軽に苦しめる「インスタント地獄」のような味わいの苦行系アクションゲームです。
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■イモムシくんを登頂させよう
このゲームの目的は非常にシンプルで、プレイヤーは黄色いイモムシ君を操作して、山頂を目指してジャンプで山を登っていきます。ボタンはワンボタンしか使用せず、敵キャラクターも存在しません。
反面、イモムシ君の操作は非常にシビアで、ジャンプの飛距離の調整が難しいです。ちょっとした操作ミスで谷底に転落してしまい、それまで頑張って登ってきた道のりが水の泡になります。
これは家で座ったまま気軽に味わえるタイプの苦行としては非常に質が高く、今すぐ苦しみたい人にオススメできるゲームだと思います。
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■癖のある挙動と鬼畜フルーツ
操作の特徴として、イモムシ君は体の回転をジャンプ力に変えているため、ジャンプの挙動にかなり癖があります。足元の地形によって飛距離が大きく変わるので、思った場所に着地するのはなかなか難しいです。
空中に浮かぶフルーツを足場にして先に進む場面では、毎回どの位置で踏み切るか迷った末、ギリギリ対岸に届かずに落ちてしまうこともしばしば。苦労した道のりを見上げながら落ちていく瞬間は毎回、絶望を通り越して顔が無になってしまいます。
ゴールまで一切の中間地点はなく、己の技量頼みの孤独な戦いですが、ミスした自分のリプレイが表示されるゴースト機能があるので長時間の山頂アタックも寂しくないですね。まぁ結局落ちるんだけど。
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■苦行を和らげる最高のBGM
本作は国内の個人開発ゲームで、制作者のAMURuさんがグラフィックやサウンド、プログラムなど全て一人で担当しているそうです。なんとゲーム中に流れるイモムシ君の声も、全部AMURuさんの声なんだとか。
その中でも私が特に推したいのは「音楽」です。じつはこのゲーム、到達地点によってBGMが変化するんですけど、これがいい感じに気分を盛り上げてくれるんですよねぇ。
ただ、私の腕前では1つ目のBGM変化ポイントにたどり着くのがやっと…。後半の曲が特に良いので、今日も今日とて山頂目指して頑張っています。
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■「登る系」ジャンルが今アツい
ところで、本作のような「登る系」のゲームですが、「壺おじさん」こと『Getting Over It with Bennett Foddy』に始まり、近年では『Jump King』や、大量のフォロワーを生んだ『Only Up!』など、非常に活気があるジャンルとなっています。
実際、YouTubeやニコニコ動画などで多くのゲーム配信者が本作をプレイしており、苦労の末に登頂したプレイヤーも続々と現れているようです。
テクニック次第で大幅にタイム短縮が可能な点はRTA走者にも人気のようで、今後さらに研究が進めば、信じられないタイムが見られるかもしれないですね。
そんなわけで、華麗な指さばきに自信のある方、かわいい地獄を手軽に体験したい方は、『いもむし』をプレイしてみてはいかがでしょうか。
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(文/Sirabee 編集部・幽霊坂ゆらぎ)