ナマコ密輸業者が相次いで逮捕 健康食品や媚薬として銀より高値で取引
希少なナマコは貴金属よりも高額? 密漁ブームで、世界中のナマコの個体数が激減している。
アメリカ・フロリダ州の空港で、ナマコを荷物の中に隠し持っていた密輸業者の女が逮捕された。ナマコは薬の原料として珍重され、闇市場などで高値で取引されているという。
『Miami New Times』『Ground News』などの海外メディアが報じた。
■ニカラグアからナマコを密輸
FWS(アメリカ合衆国魚類野生生物局)は最近、密輸品のナマコをフロリダのフォートローダーデール・ハリウッド国際空港に持ち込もうとした女を逮捕したと、発表した。
ニカラグアのマナグアから到着した女は、当初は「魚の腹を使った製品」だと説明していたが、後にそれがナマコであることを認めたという。
また、女は税関職員から持ち込んだナマコの種類や原産地などを尋ねられたが、FWSは「彼女はその情報を提供しなかった」と述べている。
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■過去にも大量のナマコを…
法廷でシャオ・ピンピンと特定された女は、ナマコを密輸した罪と税関職員への申告を怠った罪で起訴された。
FWSによると、シャオは以前にもナマコ435匹、タツノオトシゴ33匹、フカヒレ16個を含む違法な荷物をフロリダ州に送っており、当局は1年以上にわたって監視していたそうだ。
またこの積み荷には、絶滅のおそれがあるタツノオトシゴに必要な特別輸出許可が欠如していたと言われている。
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■銀よりも高値で取引
ナマコの卸売価格は1キログラムあたり10ドル(約1,400円)以下だが、ニホンナマコのような高級珍味とされる希少種になると、1キログラムで2,000ドル(約28万円)以上で取引されることもあるという。
これは同じ重さの銀インゴットの2倍以上の値段であり、ナマコの密輸がなくならない原因にもなっている。
特に中国では宮廷珍味として珍重されてきた歴史があり、現代でもAlibabaのある卸売業者は老化防止や体力の回復、または媚薬効果があると謳っている。
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■ナマコの個体数が激減
世界的な需要からナマコの個体数は激減しており、インドを含む一部の国は、ナマコの枯渇を防ぐため輸出を禁止した。またフィジーでも過去10年間、輸出を断続的に禁止している。
今回事件が起きたフロリダ州では、過去5年間にわたってナマコの密輸摘発が相次いでおり、南フロリダの空港は海洋生物の密輸の温床になっているようだ。
増加する密輸業者に対応するため、マイアミ国際空港ではサイの角や乾燥したタツノオトシゴ、カメの甲羅の匂いを嗅ぎ分けられるよう探知犬を訓練したという。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)