今年の『M−1』で最終決戦令和ロマンら全3組が成果を残せた理由 山田邦子も活躍
令和ロマン・ヤーレンズ・さや香の各々が爪痕を残した『M−1グランプリ2023』。今年の見どころを分析する。
■山田邦子の存在意義
ただし、番組ラストに審査員の山田邦子が「さや香が最後のネタ全然良くなかった」とコメントすることで1つの笑いとなり、さや香のネタもネガティブなイメージから免れただろう。まさしく笑いの効用であり、X(旧・ツイッター)などでも山田のコメントは絶賛されている。
また結果がさや香の限界を表しているならば、山田も笑いながら先のコメントをできないに違いない。さや香の挑戦は山田のコメントのお陰もあって、ますます評価される余地を残したに違いないだろう。これができるのは山田だけだ。
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■器用で優秀な令和ロマン
王者となった令和ロマンは、最終決戦ではラストに自社である吉本興業弄りをするという強い印象を残した。
結局のところ、甲乙つけがたい中で、より正統派であった令和ロマンが優勝したと考えることもできる。
令和ロマンは昨年の「M−1」では、敗者復活戦の2位というあと少しで決勝に進出できる結果を残し注目され、また彼らのYouTubeも注目された。
彼らは霜降り明星を越えて、最も短い芸歴での優勝となり、器用で優秀な彼らの今後の活躍が期待される。
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■令和ロマンの未知数
ボケの髙比良くるまは「来年もM−1に出る」というように大志を抱くイメージで、若手の道のりも霜降りが切り拓いたおかげで、多くの若手が活躍しやすい土壌にあるだろう。
とはいえ霜降りが切り拓いた道のりは大変なもので、令和ロマンが霜降りのように強く活躍できるかは未知数である。三者三様に各々の爪痕の残し方ができている点が、今大会の特長だろう。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)