「Picayune Dreams」プレイレビュー、ゆめにっき+東方に影響を受けたヴァンサバライクは神BGM揃い
「ゆめにっき」のようなRPGパートが不穏すぎる、異色のヴァンサバライク『Picayune Dreams』を遊んでみました。
Sirabee読者の皆さんこんにちは、一番好きなゲームボーイカラーの色はクリアパープル、VTuberの幽霊坂ゆらぎです。
今回はシュールな世界観が魅力の一風変わったヴァンサバ(Vampire Survivors)ライクなアクションゲーム『Picayune Dreams』を紹介しようと思います。
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■「ゆめにっき」等の影響を受けた作品
本作は昨年12月にSteamでリリースされ、記事執筆時点で「圧倒的に好評」の評価を得ている、「ローグライクをブレンドしたバレットヘブンホードサバイバル」ゲームです。
肩書が少々複雑なこのゲームをなるべく簡単に説明すると、基本システムは「ヴァンサバ」で、ボス戦は「東方Project」の弾幕STG、ストーリー進行は「ゆめにっき」という、かなり独自色の強い作品となっています。
実際に作者は上で挙げたこれらのゲームに加え、強さのスケーリングやアイテムのビジュアルに関して「Diablo」シリーズから影響を受けているとも語っています。
これだけ聞くとかなり複雑なゲームようにも思えますが、実際は気持ちの良い音楽に身を委ねながらヴァンサバや弾幕ごっこに興じているだけで大抵のことは解決するので、あまり身構えなくても大丈夫です。
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■癖の強いビジュアルと神BGM
ゲームを始めたばかりのプレイヤーに与えられる情報はほぼゼロに等しく、宇宙を漂う女性アンドロイドが自機であることと、そして後にCylという名前が発覚するこの主人公の周囲には敵しかいないことがかろうじて分かります。
さらに、本作に登場するザコ敵、本家ヴァンサバにおけるゾンビやコウモリは、「顎がパカッと開いて6つに分離する顔」「人の顔のような穴があいた紐状の生き物」などインパクトの強いビジュアルに置き換わっています。
まるで風邪の時に見る悪夢のようなステージを進める上での清涼剤となっているのが、本作を語る上で外すことができないノリノリなBGMの数々。
ブレイクコア、ドラムンベース、リキッドファンク、ハピコアといったジャンルから一転してアンビエントのような曲まであり、作者からはほんのりとクラブシーンへの偏愛を感じます。
ストーリーの続きを見る以外では、この曲を聴くために周回をしているといっても過言ではありません。どうして名作STGって、もれなく神BGMがセットなんでしょうね…。
本作のトレーラー映像にはメインテーマが収録されているのですが、ここでピンときた人はとりあえずデモ版から遊んでみることをオススメします。
また本作のユニークな仕様として、敵に与えたダメージがそのまま経験値となり、経験値は数字としてフィールド上にばら撒かれるというものがあります。
10ダメージを与えれば10、100ダメージを与えれば100の経験値がドロップするというルールは慣れてしまえば単純明快で、とにかく火力を出すことだけに集中できます。
一方で装備のアップグレードの説明は一見しただけではまず理解不能で、ほとんどの場合は使ってみて効果を判別するといった作業が必要になるでしょう。
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■ユニークなボスとの弾幕バトル
さて、見た目は地獄のような雑魚パートを抜けるとボス戦となり、ここからは東方ライクな弾幕ごっこの時間です。
敵ボスとのかけあいから急な弾幕勝負になだれこむ流れはまさに東方の各ボス戦のよう。でも、自機であるCylの武装は毎回プレイヤーの選択に委ねられるのが本作の面白いところ。
雑魚戦を意識しすぎて範囲攻撃特化のビルドを組んでいると、当たり判定の小さな単体ボスに思わぬ苦戦を強いられることもありますし、毎回狙い通りのビルドが組めないのはまさにローグライクの醍醐味ですよね。
また、本作のアートスタイルは16bit時代のゲームハードを彷彿とさせるやや荒めのレンダリングが特徴で、最近のAAAタイトルのグラフィック基準に慣れていると、最初は面食らうかもしれません。
特に1面ボスのうさぎっぽい少女Izuちゃんは、その性質上ほぼ全てのプレイヤーが一番顔を合わせることになるため、そのビジュアルと初対面での敵対的な態度が印象に残ります。
しかし、何度もゲームを周回していると、「また来たの?」とか「何度でも遊ぼう!」と、遊ぶたびにセリフが変化していくので、敵キャラなのに妙に愛着が湧いてしまうんですよね。