【コミケ】会場内で「最もありがたい」コスプレに遭遇、口からは6体の阿弥陀仏が…

昨年末に開催された国内最大級の同人誌即売会「コミックマーケット103」（以下、コミケ）。そのコスプレ広場で出会ったのは、間違いなく会場内で最も“ありがたい”仮装だった…。

■完成度が高すぎる「空也上人」

コスプレイヤーの中野（@pisiinu）さんがこの日仮装したのは、京都・六波羅蜜寺が所蔵する空也上人の立像。現れると誰もが振り返り二度見するハイクオリティぶりだった。

運慶の息子・康勝が鎌倉時代に作製したとされる国の重要文化財で、空也が「南無阿弥陀仏」と唱えるとその一音一音が阿弥陀仏になったという逸話を彫刻作品として再現したものだ。

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■親友の形見を…

その立像と同様、連続する阿弥陀仏を模型化し口で固定。

さらに頭の先から指先まですべて歴史刻んだ仏像になりきるため、ドーランを使用し肌を茶色に染めあげている。また首からは鉦（かね）を下げ、それを叩くためのばち、さらには鹿の角が先端についた杖まで、ほぼ現物通りに再現。念仏を唱えるその表情はかなり堂に入っている。

「この阿弥陀仏、じつは美少女が作るのを手伝ってくれたんです」と、中野さんは口でくわえていた造形物を見せてくれた。

話題に出た「美少女」とは、人気男性コスプレイヤーだった美少女さんのこと。中野さんの盟友として長年共に活動していたが、残念ながら2021年に若くしてこの世を去っている。

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■副住職から称賛

これまで奈良県のマスコットキャラ「せんとくん」や、「耳なし芳一」など、類まれなる発想力とすさまじい完成度を披露してきた中野さん。時には断食に近い減量を行って再現クオリティを高めるなど、ストイックにコスプレ活動を続けている。

今までやったコスプレこんなの。1。六波羅蜜寺の空也上人、耳なし芳一、えんとくん、感染るんですの背が伸びたかわうそ。 pic.twitter.com/ySmMSPFOKy

— 中野 (@pisiinu) May 15, 2015

特に今回の空也コスはテレビに取り上げられるなど以前から話題に上がることが多く、昨夏、東京駅で開催された「空也上人大集合展」にコスプレ姿で出席した際は、集まった大勢の人々から次々写真撮影を求められ、現場が一時騒然。撮影者の中には六波羅蜜寺の現役副住職もおり「わざわざご挨拶いただき、名刺をいただきました…」という仰天エピソードも教えてくれた。

記者もこれまで中野さんのコスプレを目にしたいと会場を探し歩いてきたが、今回ようやく会うことができ感動。いちファンとして次なるコスプレも密かに楽しみにしている。

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（取材・文／Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤）