クレカ不正利用を告げる電話、その手口にゾッとしたが… 警視庁は「あり得ない」と断言
ドン・キホーテ店員を名乗る人物から「クレジットカードが不正利用されている」との連絡が。会話の中で判明した衝撃の事実が「怖すぎる」と波紋を呼んでいる。
■「警察官」を名乗る人物がやって来て…
話題のポストを全て確認した警視庁の担当者は「2023年中の被害傾向をみると、百貨店等を騙った場合の殆どが『キャッシュカード詐欺盗』に発展しています」と、説明する。
特殊詐欺における「キャッシュカード詐欺盗」の手口について、担当者は「警察官や銀行協会、大手百貨店等の職員を装って被害者に電話をかけ、『キャッシュカードが不正に利用されている』などの名目により、キャッシュカード等を準備させた上で隙を見るなどし、同キャッシュカード等を窃取するものとなります」と語る。
「キャッシュカード詐欺盗」は、20年1月から「特殊詐欺」として計上することとなった手口で、口頭で説明された番号に電話をかけてしまった場合、前出の「キャッシュカード詐欺盗」の被害に遭うと推測される。23年は1月〜11月末の期間内で、318件もの被害が確認できた。
なお、警視庁において確認できるドン・キホーテを騙った手口は1件のみである(23年11月末時点)。また、今回のケースとは若干やり口の異なる詐欺も確認されているようだ。
その手順というのが、まずは家電量販店員を名乗る人物から「あなたのクレジットカードを不正に使っている者がいるので、警察署に届け出ました」等の電話がかかってくるパターン。
次いで、警察官を名乗る人物から「犯人を逮捕しました。カードのスキミングをされ、口座から現金が引き出されています。どこの銀行の口座を持っていますか。キャッシュカードを準備しておいてください、今から警察官をご自宅に向かわせます」といった電話がかかってくるという。
そして警察官を名乗る人物が被害者宅に訪問し、自ら準備してきた封筒に「被害者名義のキャッシュカード」および「暗証番号記載のメモ」を入れさせ、「封をするため印鑑を持ってきてください」等と被害者に指示を出す。
そして被害者が印鑑を取りに行っている隙を見て、予め準備しておいたトランプ等のカード類が在中した封筒にすり替え、戻ってきた被害者に何食わぬ顔で封筒に封をさせ『新しい封筒が届くまで、この封筒は開封せず保管しておいてください』等と伝え、すり替えたキャッシュカードを盗み取る…というのだ。
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■警察からの伝言は「あり得ません」
今回話題となったポストを受け、記者が最も違和感を抱いたのが、詐欺師の発した「クレジットカードの消費者センターに連絡するよう警察から言われた」という下りである。果たして警察が「伝言」という形式で第三者を介し、指示や依頼を出すケースはあり得るのだろうか。
こちらの疑問に対し、警視庁の担当者は「あり得ません」と断言。その理由について「第三者に『◯◯に電話をしてほしい』等の依頼をすると、本人(今回でいう被害者)に連絡がいったか確認がとれないため、第三者を介すことなく、警察官自身が本人に直接連絡をしています」と、説明していたのだ。
つまり、クレジットカード関連の電話で「警察から『◯◯をしてほしい』と連絡があった」という説明があった時点で、高確率で詐欺を疑って良いだろう。
これらの特殊詐欺への注意喚起を交え、警視庁は「不審な電話(アポ電)があれば、迷わず警察に通報してほしいです」「国際番号や知らない番号には安易に出ることなく常時、留守番電話の設定にしたり、迷惑電話防止機能付き電話機の活用をしたり、ナンバーディスプレイやナンバーリクエストの活用をして頂きたいです」とのコメントを寄せてくれた。
繰り返しになるが、相手の親切心や同情心を利用し、「不安」を煽ってくるのが詐欺師の常套手段。突然の電話の内容に不安を感じたときこそ、落ち着いた対応を心がけたい。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)