「セクシー田中さん問題」で最も責任が重いのは? 女性に目立つ脚本家・相沢友子氏への怒り

日本テレビは社内に特別調査チームを立ち上げたことを発表したドラマ『セクシー田中さん』の問題。世間はどの関係者の責任を重く見ているのだろうか。

2024/02/19 19:00

セクシー田中さん

芦原妃名子さんによる漫画で、日本テレビでドラマ化された『セクシー田中さん』問題が、波紋を拡げ続けている。

人気漫画家だった原作者の芦原が亡くなり、これまで発表したコメントが不誠実との批判を集めていた日本テレビも、社内で特別調査チームを立ち上げることを発表した。



 

■原作者がブログで経緯告白

芦原さんは亡くなる前、公式ブログを開設。ドラマ化を受け入れた経緯や、その際、脚本については「漫画に忠実に描いてほしい」と約束した条件がたびたび守られなかったことなどを告白。

とくに、第9話・10話については全く意図が伝わらず、自らが書き下ろさざるを得なかったと明らかにした。その後、芦原氏はブログを閉鎖。さらに、1月28日には公式Xで「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」と投稿。それが最後のポストとなった。


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■相沢氏のインスタ投稿が契機か

芦原さんがブログを投稿する大きな原因となった可能性が極めて高いのは、同作で脚本を務めた相沢友子氏によるインスタグラムへの投稿だ。

相沢氏は、昨年末、「最後は脚本も書きたいという原作者たっての要望があり、過去に経験したことのない事態で困惑しました」などとコメント。

また、「脚本家の存在意義について深く考えさせられる」「この苦い経験を次へ活かし」「今後同じことが二度と繰り返されませんように」などと恨み節を述べていた。


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■小学館編集部のブログも話題

相沢氏は現在インスタグラムのアカウントを削除しているが、これらの投稿には同調するような多くのコメントも。芦原さんがブログで経緯を告白したのは、誤った経緯がSNSで拡散してしまうことを懸念したためとも考えられる。

一方の小学館サイドは、「第一コミック局 編集者一同」名義でブログを更新。著作者人格権の重要さに触れつつ、芦原さんとファンの気持ちに寄り添った内容が多くの共感を呼んだ。

日テレの調査チームによる調査結果も待たれるが、現状において世間はこの問題についてどのように考えているのだろうか。


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■7割が「テレビ関係者に責任」

Sirabee編集部は、2月16〜18日にかけて全国10〜60代男女1,000名を対象に「セクシー田中さん問題について最も責任が重いと考える関係者」について調査。最も多かった回答は、「日本テレビ」で30.3%を占めた。

2位は「脚本家の相沢友子氏」で20.9%。原作者が許諾した条件について相沢氏がどこまで認識していたのかは不明だが、攻撃的なニュアンスを含んだインスタグラム投稿を批判的に見ている人は多いようだ。

相沢氏に迫った3位は、ドラマのチーフプロデューサーで18.9%。脚本を執筆したのは相沢氏ではあるが、実際に指示を出した番組の総責任者をより重く見る人もいるだろう。

版権を持つ「小学館」との回答は7.6%、「相沢氏の投稿に同調した人」と答えた人は4.1%だった。全体の7割は、少なくとも現段階においては「テレビ局やその関係者の責任が重い」と受け止めていることがわかる。

セクシー田中さん


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■女性は脚本家に怒りか

『セクシー田中さん』は女性向けのコミック誌に連載されており、そのテーマからも女性ファンから根強い支持を集めていた。そのせいか、今回の調査結果にも男女の意識差が見られる。

男女とも、責任を問う声が最も多いのは「日本テレビ」だが、男性では2位が脚本家ではなくチーフプロデューサーで20.0%。ところが女性の場合、脚本家の相沢氏の責任を問う声が24.6%と日テレの28.8%に迫っている。

ドラマ・コミックとも、主な読者・視聴者層は女性だが、その怒りの大きさがうかがえる状況だ。

セクシー田中さん


■主な相談窓口

・いのちの電話

ナビダイヤル=0570-783-556(10時~22時)

フリーダイヤル=0120-783-556(16時~21時。毎月10日は8時~11日8時)

日本いのちの電話連盟(https://www.inochinodenwa.org)

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(文/Sirabee編集部

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年2月16日~2月18日
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)

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