ドジャース山本由伸、「フォーク」が「スプリット」と呼ばれる要因は? メッツ千賀滉大はメジャーでも「お化けフォーク」だが…
ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が開幕戦以降、苦境に立たされている。その要因には、彼の「フォーク」であり「スプリット」が関係しているようだ。
ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸が、日本時間13日のサンディエゴ・パドレス戦(ドジャースタジアム)に4度目の先発登板。5回を91球、被安打4、奪三振6、失点3という内容で4点リードの場面で降板したため、勝利投手の権利を持っていたが、中継ぎ陣がまさかの4失点で同点に追いつかれると延長11回に勝ち越されてしまい、山本の2勝目だけではなくドジャースの勝ちも逃してしまった。
■「ヨーヨーカーブ」が狙い打ち
山本は2回に3失点、2被弾と、開幕戦以来の信じられない立ち上がりだった。3回からは持ち直し、打線も大谷翔平やマックス・マンシー、ムーキー・ベッツのホームランで援護したが、勝利の女神は山本に微笑まなかった。
この日は前回登板時に発揮した「ヨーヨーカーブ」をパドレス打線が狙い打ちする場面が目立ち、本人も「なぜ打たれたのか?」という表情を浮かべて、首を捻る場面も多く見られた。
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■「フォーク」が「スプリット」に?
山本の魅力は160キロ近いストレートに、150キロ近いフォーク、そして緩急とコントロールが抜群なカーブの3球種が生命線となっている。しかしメジャー中継では、ストレートはフォーシーム、フォークはスプリットと実況されることが多い。
特にフォークに関しては、ネット上でもテレビ中継を見ているファンから「今のフォークじゃないの?」「ボールが大きいから挟みが浅いのかな?」「メジャー用語?」など疑問の声が見られている。
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■望まれるメジャー球への対応
日本ではボールの落ち幅によって「スプリット」と「フォーク」の判定が分かれており、ボールの握りは「フォーク」のほうが深いとされているが、メジャーでは「スプリットフィンガーファストボール」の略称である「スプリット」が主流になっているという。
ただしニューヨーク・メッツの千賀滉大は、福岡ソフトバンクホークス時代からの代名詞である「お化けフォーク」を「ゴーストフォーク」として、メジャーデビューした昨シーズンから現地のファンにも認知されていた。つまり、メジャーでも「フォーク」という球種は現在も存在する。
ところが山本のフォークは、他のピッチャーにはなかなか投げられない最速151キロを計測し(千賀は約134キロ)、握りも若干浅いことから、「スプリット」と総称されているようだ。
山本はメジャーデビュー後、この「スプリット」の制球と配球に苦しんでいるだけに、「ヨーヨーカーブ」の効果を高めるためにも、メジャー球に対応した「スプリット」の感覚を掴んでもらいたい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・Sirabeeスポーツ取材班)