ドジャース大谷翔平と代理人事務所「CAA」の関係は… 山本由伸ら日本人メジャーリーガーの代理人事情
ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平の元通訳・水原一平容疑者が起こした一連の事件により、大谷ら日本人メジャーリーガーが契約している代理人事務所にも注目が集まっている。
ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平の元通訳であり、銀行詐欺容疑でIRS(内国歳入庁)と国土安全保障省、司法省から訴追された水原一平容疑者による“水原事件”。これにより、現地メディアでは大谷が契約している代理人事務所CAA(クリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー)のネズ・バレロ氏への責任を問う声や、「まず彼の解雇から整理することだ」という厳しい声まで噴出している。
■CAA契約の日本人選手は大谷翔平のみ
CAAは、WME、ICM、UTAとならぶハリウッド4大エージェンシーのひとつとして、数多くの有名なハリウッドスターたちと契約を交わしている他、ニューヨーク・ヤンキースの名選手だった元メジャーリーガーのデレク・ジーターなど、大物スポーツ選手とも契約をしている。日本人俳優では、西島秀俊との契約が話題になった。
しかし、日本人のスポーツ選手は大谷のみ。大谷が北海道日本ハムファイターズ在籍時の2017年に契約を交わしている。
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■ボラスは個人で動く選手向き
日本人選手がメジャーに挑戦する際、契約する代理人事務所は大きく二つに分かれるとされる。
ひとつはスコット・ボラスだ。ボラスと現在代理人契約をしている日本人メジャーリーガーは、菊池雄星、吉田正尚、藤浪晋太郎、前田健太で、それぞれボラスにより高値でメジャーとの契約を勝ち取っている。
メジャー事情に詳しいプロ野球関係者によると、ボラスは「選手たちからの評判が良い反面、選手たちをマネージメントしている会社やチームなどへのマージンはないので、メジャー行きに向けて個人で動く選手にしか向かない」そうだ。確かに、単身でアメリカに乗り込んだ選手たちが名を連ねている。
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■ワッサーマンを選ぶ選手が続くか
ふたつ目はワッサーマンだ。メジャーリーグとともにバスケットボールにも強いとされており、NBAの渡邊雄太、八村塁、そして日本代表としても活躍しているBリーグ、横浜ビー・コルセアーズの河村勇輝が契約している。
日本人メジャーリーガーでは、山本由伸、ダルビッシュ有、鈴木誠也、千賀滉大が契約している他、横浜DeNAベイスターズへの復帰が発表された筒香嘉智、引退組では松井秀喜、岩隈久志もいる。
前述の関係者によると「日本の大手広告代理店との関係も深く、今後もワッサーマンを選ぶ選手が続くことが予想される」という。山本の通訳を務めている園田芳大氏が、ワッサーマンの公募に応募していたことと「誰を担当するかは分からなかった」と明かしており、こうした体制づくりが万全なところも信頼を勝ち得ているのだろう。
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■大谷は「世界一」にふさわしい契約を
大谷は通常のポスティングシステムとは違って、メジャーへのポスティングが認められている25歳に満たない23歳でメジャーに挑戦したこともあり、1年目の年俸は約6,100万円(当時のレート)と、日本ハム時代よりも2億円近く低かった。
CAAは先行投資する意味で大谷と契約をしたのかもしれないが、水原容疑者を介さなければ誰も大谷本人と直接会話ができないという環境は、ボラスやワッサーマンでは考えられないこと。今シーズン終了後には本人立ち会いのもとで、世界一のメジャーリーガーに相応しい契約の見直しや整理をしてもらいたいものだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・Sirabeeスポーツ取材班)