高架下で遭遇した標識、怒涛の9連コンボに目を疑う 「太鼓の達人かよ」と話題に…

大阪市内にある、車両の「高さ制限」を示す標識が9個も連なった高架下が話題に。JR西日本は「視認性を高めるため」と説明する。

2024/04/25 05:45


街中を歩いていると、多数の道路標識を目にする。標識自体は特段珍しい物ではないが、それだけに一風変わった標識と遭遇した際は、つい見入ってしまうもの。

以前X上では、異様な存在感と圧力を放った「一度見たら忘れられない標識」が話題となっていたのをご存知だろうか。

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■この高架下、何かがおかしい…

今回注目したいのは、Xユーザー・たこ@道路好団垢さんが投稿した1件のポスト。本文には「大阪に来たら外せない、日本一多く(9枚)同じ標識が横並びになっているガード下」と意味深な1文が綴られている。

9連標識

そしてポストに添えられた写真を見ると…そこには「自動車の高さ制限 3.9m」を意味する、完全に同一の標識が9つ横並びになった、異様な架道橋が写っていたではないか。


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■「たこ焼き」や「太鼓の達人」に見えると話題

言うまでもなく、標識は1枚あれば効力を発揮するもの。そのため同一の標識が複数個設置されているだけでも珍しいのに、9枚ともなれば尚更である。

インパクトの凄まじい光景は人々の注目を集め、件のポストは投稿から数日で1,200件以上ものリポストを記録。Xユーザーからは「事故のたびに増えてるとか?」「よほどぶつかる車両が多かったのか」「これもう、たこ焼きだろ」「太鼓の達人に見えてきた」など、驚きの声が多数寄せられていた。

ポスト投稿主・たこさんに事情を確認したところ、これらの標識は大阪府大阪市内の某所にて発見したものと判明。

発見時の感想について、たこさんは「ネットの情報で存在は知っていましたが、実物を見た際は、あまりの標識の多さに圧倒されました。また、本来の道路管理者ではないJR西日本が設置していることから、事故対策に相当苦労されたのだろうと窺えました」と振り返っている。

9連標識

よく見ると写真の中に高さ制限を示す標識は計10枚存在し、手前にある柱タイプの標識には「大阪市」の表記が。一方、架道橋についた怒涛の9連標識には「JR西日本」の5文字が記されているのだ。

9連標識

そこで今回は、JR西日本こと「西日本旅客鉄道株式会社」に件の標識の詳細について尋ねてみることに。その結果、驚きの事実が多数明らかになったのだ。


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■「標識の数=事故の数」説は本当か?

標識設置の経緯について、JR西日本の担当者は「自動車等が架道橋に接触する事象の多い箇所のため、視認性を高め、自動車の運転手に気づいて頂きやすくするために、2013年より設置しております」と説明する。

X上では「事故のたびに増えている」という説が提唱されていたがこちらは誤りで、担当者は「徐々に看板が増えていったわけでなく、自動車の運転手に高さ制限を効果的に認識してもらう方法を検討した結果、現在の形になりました」と、「標識数=事故数」説をやんわり否定していた。

標識設置の効果は上々で、「高さ制限標識を9枚設置している箇所では、鉄道の運行に影響があるような衝撃(事故)はほとんど発生しておりません」とのコメントも得られたのだ。


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■JR西日本、高さ制限に本気を出す

他にも同様、または類似した標識の設置区域があるか尋ねたところ、JR西日本の担当者からは「少し形態は変わりますが、学研都市線の鴻池新田・徳庵間(五ヶ六郷川橋梁)に、標識を複数つけている箇所があります」との回答が。

こちらもやはり高さ制限の標識で、同一の標識が道なりに5枚並んでいたのだった。やはり「同じ標識が9枚」というシチュエーションは、相当レアケースなのだろう。

9連標識

そしてさらに、高さ制限に対するJR西日本の情熱はこれだけに留まらない。

なんと同社では「マップル」と協力することで、JR西日本近畿統括本部が保有する「高さ制限」に関する情報(高さ制限地点の位置情報と高さ制限値)と、マップルの電子地図技術を掛け合わせ、高さ制限に関する情報が記載されたデジタルマップを作り上げていたのだ。

こちらのデジタルマップはマップルの「MAPPLE LABS(新領域や注力分野のサービスをデモサイトで体験できる場)」に掲載されているため、ぜひチェックしてほしい。

また、現地を運転する際の注意点として、JR西日本は「高さ制限を超えて走行しますと、架道橋に衝突する可能性があります。列車の安全走行のためにも、高さ制限を守って頂きますようお願いします」とのコメントを発信している。

列車はもちろん、自身の安全のためにも、標識の指示に従った安全運転を心がけたい。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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