「ペットロック」愛でる若者が韓国で急増 石に癒やしを求める時代に…
韓国の若者の間では今、「ペットロック」が流行中。石を実際のペットのように愛でるそうだ。
多くのストレスや疲れを抱えている現代人。その癒やしをペットに求める人は多いだろう。今、ある国の若者の間では、少し変わったペットが流行っているそうだ。『Firstpost』や『Hindustan Times』などの海外メディアが報じた。
■石に描く理想のペット
韓国は長時間労働を強いられる国の一つといわれ、過労による若者の孤独感や燃え尽き症候群が頻繁に報告されている。
そんななか、同国の若者は「ペットロック(またはペットストーン)」と呼ばれる石を購入。好きな色を塗り、目や鼻など思い思いの顔を描き、寝具や衣類も準備する。本物のペットとしてやさしく扱い、癒やしを求めているそうだ。
関連記事:飼い主のペットロスと向き合う剥製会社が話題 「万人受けしないがやりがいある」
■値段は1000円前後
1個6,000~1万ウォン(680~1,100円ほど)で、気軽に手に入れることができるペットロック。もともと韓国では、朝鮮時代に繁栄と洗練を象徴する縁起物として、「水石(スソク)」と呼ぶ石を大切にする文化があった。
その後に経済成長期を迎えた際、富の象徴として水石の人気が復活。現代では孤独や疲労の軽減、癒やしや慰めの対象として再び注目を集めるようになったという。
関連記事:犬にアパートを貸した不動産業者 「社会の道徳を乱した」容疑で逮捕に
■ストレスや孤独、寂しさからの解放
ク・アヨンさん(33)は、転職によるストレスや孤独感に耐えきれず、数年前にペットロックを購入した。「バンバンイ」と名付け、日々の愚痴を聞いてもらい、散歩やジムに行くときにも心の安定のため常に連れて歩いているという。
またリムさん(29)は、パンデミック中に初めてペットロックを購入。「リモートワーク中の寂しさから、誰かに側にいてほしかった」と明かしており、強い仲間意識を感じている様子だ。
関連記事:古坂大魔王、子育ても手伝う愛猫に感謝 「震災からずっと…相方みたい」
■ペットロックに賛否両論
この報道には、国内でも様々な感想が。肯定派からは「何に癒やしを求めるかは個人の自由」「中途半端な気持ちで生き物を飼うよりマシ」「お金もかからないしいいと思う」といった声があがった。
一方で「石に話しかけるって…虚しいね」「友達と話すとか旅行とか、もっとリアルで健全な解決方法がある」との意見もある。
ただし「国の政策のせいで、こんな変わった社会になった」という声には、大勢が納得している模様だ。