ハードオフで発見した2千円のノート、中の情報にギョッとした 現代の「宝の地図」と話題に…
ハードオフ店頭で「スーパーファミコンを攻略したノート」なるジャンク品を発見。その中身と、強気な価格に注目が集まっている。
■このノート、ツッコミどころが多すぎる…
YouTubeに動画UPしました。https://t.co/mr80yCsDeD pic.twitter.com/BV8xkXCoiu
— 8bit エイトビット (@8bit54299837) May 6, 2024
自身のYouTubeチャンネルにて福袋開封やゲーム動画の配信を行っている8bitさん。6日には、今回のノートの気になる中身を動画にて公開している。
ノートには『ファイナルファンタジーVI』の攻略マップ&データ集など、SFCソフトに関する付属品が同梱されていた。
そして気になる中身はというと、手書きのパスワードやマップなどのデータがズラリ。しかし、ファミコンソフト全1,053本をコンプリートした8bitさんがノート内の情報を解析したところ、『ウルティマ 聖者への道』『聖闘士星矢 黄金伝説』といった具合に、いずれもSFCではなく「ファミコンのソフト」に関する記述であると判明したのだ。
さらには元の持ち主の旅行日程と思われるメモ書きも発見され、正直なところ「スーパーファミコンを攻略した」とは言い難いノートであった。
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■ハードオフの「理念」に改めて感動
「スーパーファミコンを攻略した(?)ノート」買取時の様子について、ハードオフ担当者は「お持ち込み頂いた商品の中に箱・取説付きのレトロゲーム機が複数個あり、その中に手書き攻略本を含む、当時のチラシやハガキなどがございました」と振り返る。
続けて「当店では基本的にはお客様に手ぶらで帰って頂くことを前提にしておりますので、手書き攻略本を含め、お纏めして買取させて頂きました」と、店舗としてのスタンスを語ってくれたのだ。
こうした買取のケースはハードオフ全体を見ても珍しいようで、担当者は「品物の買取は基本的に店舗ごとの判断で行っていますが、他店舗でも実際に商品化までに至るケースは少ないと思います」とも説明している。
販売に至った経緯について、担当者は「ノートに記載された情報量や正確性に関しては、精査しておりません」と前置き。
その上で「ただ、一見して何の攻略を行っていたか、どれほどの熱量で取り組んでいたかが読み取れる内容でした。その価値を損なうことなく販売したいと思い、ジャンク品として本来のノートの使い方はできない、既に記入された商品『スーパーファミコンを攻略したノート』という品名で販売させて頂きました」と、語ってくれた。
なお、商品化に関しては店長の趣向に依る部分が大きいようで、担当者は「価格や品名を含め、尖った商品だと思います。店長が学生時代にプレイしていた『ウルティマ』の情報などが記載されており、そうした内容が品名に結びついたのではないでしょうか」と推測。それが事実ならばこの店長、完全にノリノリである。
取材の終わり際、担当者から「今回買取させて頂きましたが、ご不要になった物には価値が無くなったわけではございません」「次代に使って頂く、必要な価値をお客様に見出して頂くのが、当社ジャンク品の本質と考えております。今後も様々なお客様にリユース商品を繋げていけるよう、努めさせて頂きます」とのコメントが得られたのが印象的であった。
あまりにパンチの効いた、正に前代未聞の商品(と値段)を受け、疑問の声も若干数上がっていた今回の一件。しかし、物の価値は「全ての人にとって平等ではない」という点を肝に銘じておきたい。
実際、件のノートの2,200円という価格を「高い」と感じる人がいる一方で、ノートを購入した8bitさんは「運命の出会い」「販売してくれて感謝」と、大満足の様子。
たとえ世間的に、多くの人々から「不要な物」と認識されようが、価値を見出した人物が1人でもいれば、その物品は確かに「価値ある物」として存在するのだ。
ハードオフは世間の価値観と照らし合わせ、物品を安易に「ゴミ」と判断して処分などせず、ユーザーとの出会いの場を提供してくれる、一種の聖域である。今回のノートの買取・販売は、ハードオフのそうした理念の象徴とも言えるだろう。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)