平成の神器・家庭科のドラゴンに異変 メーカーの明かす設定が「中二の極み」だった…
平成の少年たちのハートに火をつけた「家庭科のドラゴン」が、コミケ参戦を表明して話題に。メーカーは「天空の帝国を守護する、重力を司る神獣ルールレジェ」と説明する。
■それにしてもこのメーカー、ノリノリである
「家庭科のドラゴン」の歴史について、サンワード担当者は「20年ほど前、男の子向けならばスポーツ柄が主流だった裁縫セットですが、メーカーの新学社様より『ドラゴンなどはどうか』という提案を受け、それに応える形で制作したのがきっかけです」と振り返る。
裁縫セットはもちろん、エプロン、彫刻刀、ナップザック、クッション等に使用されていたそうだ。
そのコンセプトについて、担当者は「天空の帝国を守護する、重力を司る神獣ルールレジェ。黒を基調とした、リアルで躍動感溢れる力強いデザインが、多くの男児に強くアピールします」と、曇りなき真っ直ぐな眼(まなこ)で説明しており、完全にノリノリである。
「天空」の「帝国」を「守護」する「黒龍」というギャップあるバックグラウンドに加え、メジャーな炎や雷でない「重力」を司る(「操る」でないのが素晴らしい)センスに、心躍らない少年などいるだろうか(いや、いない)。
コミケ参戦の背景については、「2023年にも一度『家庭科のドラゴン』がXで話題になり、そして今年2024年が辰年ということもあり、『ブラックドラゴンを飛躍させたい…! 何か今までにしたことが無いことをして盛り上げたい!』という気持ちから、コミックマーケットへの参加を決意しました」と、ドラゴンの炎のように熱いコメントを寄せてくれた。
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■根強い人気を誇る理由は…
00年代に誕生した「家庭科のドラゴン」がいまだ根強い人気を誇っている件について、サンワード担当者は「20〜30代の方からの認知度が高く、当時『家庭科のドラゴン』を使っていた懐かしさや、その方々が親世代になったときに自身の子どもの世代にも、まだ『家庭科のドラゴン』が存在することから『話題にしやすい』といった点から、長く支持を頂いているのかな、と感じております」と分析していた。
そんなサンワードは、オリジナルキャラクターの企画製作会社として、様々な提案を行っている。
担当者は「近年、多種多様なキャラクター達が生まれては消えていくのが現状です」と前置き。
続けて「そこで我われサンワードは『永遠に生き続けるキャラクターを育てていきたい』 というコンセプトを元に探求し、展開してまいりました」「キャラクターの明確な将来への展望を持ちつつ、トータル的なデザインを見据え、スタッフ一人ひとりが多様なアイデアを活かし、能力を発揮できる企業であることを、心がけていきたいと考えます」と、今後の展望を語ってくれたのだ。
コミケで展開するグッズに関しては、まだ公表を控えているそう。
しかし今後の展開については、同社キャラクターを使用した玩具や食器の発売が決定したほか、今回話題となった「家庭科のドラゴン」が登場する楽曲を含むミニアルバムを今月リリースしたバンドも登場。ますます広がる「家庭科のドラゴン」の世界には期待がますばかり。
今年の日本の夏は「ドラゴンの夏」となることだろう
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
小学校の裁縫箱は「オーシャン」を選択。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)