「漸く」の正しい読み方、約6割が勘違いしていると判明 絶対一度は口にしているが…
「しばらく」ではない! 「漸く」の読み方、分かりますか?
日常的に使ったり聞いたりする言葉でも漢字になると意外と読めないことも…。あなたは「漸く」を正しく読むことができますか?
■「漸く」って何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女800名を対象に「漸く」の読みかたに関する意識調査を行なったところ、「しばらく」と読むと答えた人が全体で53.1%。続いて、「おののく」と読むと思うと回答した人が7.3%でした。
ちなみに「しばらく」を漢字で表現すると「暫く」、「おののく」は「慄く」や「戦く」となります。
「漸く」「暫く」は、ともに「斬」が構成に入っているため、読みかたを勘違いしてしまった人がいるかもしれませんね。
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■正しくは「ようやく」
なお、「漸く」の正しい読みかたは「ようやく」。編集部の調査では全体で39.5%の人が正しい読みかたを回答していました。
ちなみに「漸」という漢字は音読みで「ゼン」「ザン」、訓読みでは「ようやく」のほかに「すす(む)」「やや」があります。
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■「漸く」の意味は…
「漸く」の意味について、デジタル大辞泉(小学館)では、以下のように記載されています。
①長い間待ち望んでいた事態が遂に実現するさま。やっとのことで。
例:戦争が終わり漸く平和になった
②苦労した結果、目標が達成できるさま。かろうじて。何とか。
例:迷ったすえに漸くたどりついた
③物事がしだいに進行して、ある状態になるさま。だんだん。
例:人々は漸くに列を乱して〈漱石・趣味の遺伝〉
④ ゆっくりと。おもむろに。
例:漸く歩みて帰る〈今昔・七・四四〉
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■「やっと」は「漸と」
また、「漸く」と似たような意味の言葉、「やっと」を漢字で表現すると、「漸と」となります。
「やっと」も 「長い時間や労力を費やして実現・成立するさま。ようやく」「足りてはいるが、余裕のないさま。かろうじて」という意味を持つ言葉です。
知らなかった人は、これを機に「漸と」も一緒に覚えておきましょう!
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(文/Sirabee 編集部・丸井 ねこ)
調査対象:全国10代~60代の男女800名