猛暑日に着たTシャツ、強烈な汗染みにギョッとするも… ユニクロの神対応が半端じゃなかった

ユニクロのUTに「通気性悪い」疑惑が浮上。UTデザイナーによると「3つのプリント」の性質の差に原因があるようだ。

2024/07/22 05:15



■3種類のプリント、最も通気性が良いのは…

UTのプリントのタイプは、大きく分けて3つに分類される(記者調べ)。

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まずは今回、通気性を疑う要因となった「プリント部分が厚い」タイプ。経験上、黒地をベースとし、プリント部分にヴィヴィッドでカラフルなデザインを採用したTシャツ(アニメ、ゲームとのコラボ作品など)に多く見受けられる。プリント部分の「ゴムのような感触」が特徴的だ。

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そしてもう1つが「プリント部分にやや厚みがある」タイプ。こちらは白地をベースとした、プリント部分がカラフルなデザインのTシャツが多い印象を受ける。通気性に関しては、そこまで不自由を感じない。プリントを触ると若干の硬めの感触はあるも、ゴムのような印象は受けない。

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最後に「プリント特有の厚みを感じない」タイプである。こちらは白地をベースとし、プリント部分がモノクロデザインのTシャツに多く見られ、通気性は至って良好である。プリント部分に弾性は全く感じられない。

これらを便宜上、上から順にタイプ1、2、3で区分し、ユニクロに取材を申し込む。内心「あまりに細かすぎるオタクぶりに、ドン引きされるのでは…」と心配していたが、UT担当者は嫌な顔ひとつせず、非常に真摯な態度で回答してくれたのだ。


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■ユニクロ、あまりに神対応すぎる

UT担当者はまず、「UTではTシャツをキャンバスとして捉え、アートやデザインをきちんと表現することを大事にしており、素材としてはラバー、顔料などを組み合わせています」「作品をどう見せたいかによって素材、質感、肌なじみ等を考え、最も適したプリント方法を採用しています」と説明する。

基本的な考えとしては、色をしっかり表現するのに適した「ラバー」、繊細な表現に適した「顔料」と区分するようだ。

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記者が分類した3つのタイプは間違っていなかったようで、担当者は「タイプ1は商品の色味をしっかりと表現したいためにラバーメインのプリント、タイプ2は作品の質感とカラーのバランスを表現するためにラバーと顔料を組み合わせたプリント、タイプ3はゲームの下書き等を表現するため繊細な質感を出すため顔料がメインのプリントとなります」と、それぞれの特徴を説明してくれた。

顔料だけでは「色落ちしやすい」という弱点があるが、ユニクロでは高い品質基準を設定し、顔料とラバーを組み合わせるなどした上で洗濯試験を繰り返し、品質確認を行っているのだ。

主題となる通気性に関しては「ラバーが多くなると確かに通気性は悪くなってしまうのですが、細かなテクニックを多用しながら色、柄、作品の世界観を表現しております。ぜひ気候を確認しながら、お気に入りの1枚を着て頂けると幸いです」とのコメントが得られた。


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■UTを買うときは「プリントの種類」を確認!

要約すると、UTを購入・着用する際は、シーンや気候・気温と相談するのが何よりも重要ということ。

炎天下の猛暑日、屋外でラバープリントのTシャツを着用した日には地獄を見るが、日差しが落ち着いた時間帯や、冷房の効いた屋内で過ごす際は、全く気にならないはず。春先や秋用と割り切るのも良いだろう。

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また、一概に「ラバープリント」だから、と敬遠する必要は無い。プリント面積が広いほど通気性は悪くなるが、ワンポイントのプリントや、面でなく「線」のデザインに重きを置いたプリントであれば、全くと言って良いほど気にならない。

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さらに、ユニクロ側も通気性に対するユーザーの不満を受け止め、かなり分析しているのでは…と思わされたのが、6月下旬に発売された「UTGP2024:ルーヴル美術館」である。

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メンズモデルはいずれも顔料をメインに使用しており、ラバーを使用したモデルもプリント面積そのものが小さいため、通気性の悪さは全く気にならなかった。また29日発売の「ポケモン」もデザインを見る限り、通気性に関しては問題無さそうだ。

そして当たり前のことだが、ラバープリントの「通気性の悪さ」はUT固有のものでなく、あらゆるTシャツ、およびメーカーが抱えた共通の弱点である。魅力あふれるバリエーションが豊か、且つ多くのユーザーから支持を得ているUTだからこそ、弱点が悪目立ちしてしまったのだろう。

この夏UTを新たに買う際は、プリント部分の特徴を理解しつつ、着こなしを考えてほしい。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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