日本初とろみ付き牛乳、救世主になる機能を秘めていた メーカーが明かす「開発秘話」に感動
日本で初めて牛乳にとろみを付けた乳業メーカーがある。取材すると、何とも感動的エピソードが明らかに。
■メーカーが明かす「開発秘話」に感動
取材に応じてくれたのは、ひまわり乳業株式会社の代表取締役・吉澤文治郎さん。吉澤さんによれば、2021年に高知県内の病院給食受託業者と「誤嚥対策」について話す中で、高知県産のとろみ飲料ができたらいいという話になったのがきっかけだったという。
ただ、牛乳にとろみを付けるのは簡単なことではなかった。吉澤さんは、「技術的に非常にハードルが高いんです。ただ、在宅医療や在宅介護になった際、高齢の方が自宅でとろみをつけるのは手間もかかる。誤嚥性肺炎を発症して再入院してくる方がとても多かったんです」と振り返る。
そうした状況を改善するため、開発に動き出した。
吉澤さんは、「子供の頃から慣れ親しんだ牛乳にとろみを付けて、美味しく飲めるようにしたいと思いました。気軽にご近所のスーパーの牛乳売り場で購入できるようにすることを基本方針として開発に着手し、2023年7月に発売へ至りました。牛乳は粉末のとろみ剤がうまく溶けず、とろみがつけにくい飲み物ですが、とろみ剤を添加する温度やタイミングを調整することで、クリアしました」と、話す。
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■発売後の反響は…
発売から1年経ち、「とろみひまわりミルク」は着々と知名度を上げている。発売後、気付いたこともあったという。
吉澤さんからは、「全国にこういったものを必要とされている方がたくさんいらっしゃるんです。ご高齢の方のみならず、若年の方でもとろみを必要とされる方が多くいらっしゃり、そういった方々が『これなら飲める!』と嬉しそうに『とろみひまわりミルク』を飲んでおられるのを見て、開発して良かったと心から思いました」という笑顔のコメントが得られた。
人類を救う可能性を秘めた商品と言っても過言ではないだろう。これからも、とろみ付き牛乳は、たくさんの人に寄り添ってくれるはずだ。
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■執筆者プロフィール
斎藤聡人:1991年生まれ。『Sirabee』編集部記者。
某週刊誌の芸能記者を経て現職に。旧ジャニーズネタなど、芸能ニュースを中心に様々なジャンルを取材する。
チェーン店からローカル店まで飲食店をめぐり、グルメ記事も手がける。仕事も兼ねた毎日のドラマ鑑賞が日課。
今期の推しは、『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系)、『しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~』(同系)、『ブラックペアン シーズン2』(TBS系)。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人)