日本一カッコいい標識、直訳のクセが強すぎる… 「王者の風格」とネット民驚愕
長野市内で発見された道路標識が「あまりにカッコよすぎる」と話題に。市内の担当者は「バスのアナウンスもカッコいい」と語る。
■「標識」である以上、避けられない問題が…
長野県下カッコイイ交差点名ランキング
暫定1位
_人人人人人人人_
> Old Battlefield <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ pic.twitter.com/qVLqmHlsc7— 島村悠道 / Yudo S. (@toike_shimamura) May 9, 2024
長野県では「長野県案内サイン整備指針」を設けており、話題の「Old Battlefield」標識もその一環。
導入の経緯について、同県は「長野県を訪れる外国人観光客が急激に増加する中、国内外から来訪される方が迷うことなく、容易に目的地にたどり着けるよう、より分かりやすく景観にも配慮した案内サインが求められています」とし、様々な施策について紹介している。
また、日本語の正式名が「古戦場入口」にも関わらず「〜 Ent.」(エントランス)表記を使用していない理由について尋ねると、国土交通省「長野国道事務所」の担当者からは「信号機に取り付ける標識はスペースが限られており、そうした点を考慮しての表記となります」「例えば、実際の地名も『古戦場』の前に『川中島』がつくのが正確な表記ですが、実用性や分かりやすさを優先し、こちらの表記を採用しました」との回答が。
日本人にも外国人観光客にも配慮し、限られたスペースを最大限に活かそうとする「柔軟性」が感じられた思いである。
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■長野市の博物館、完全にノリノリである
続いては、今回話題となった「川中島」の古戦場について「長野市立博物館」に詳しい話を聞いてみる。
同地の詳細について、担当者は「長野市立博物館がある『川中島古戦場史跡公園』は、戦国時代に越後の戦国大名・上杉謙信と甲斐の戦国大名・武田信玄が争った『川中島の戦い』が繰り広げられた場所にあります」と説明。
約10年間の間に5回あったとされる「川中島の戦い」のうち、最も多くの死者を出すなど熾烈を極めた「第4次川中島の戦い」は、正にこの一帯で繰り広げられたという。
博物館の担当者は「謙信と信玄が一騎打ちに及んだとも伝えられ、江戸時代には武者絵や芝居の題材としても人気を博しました」とも補足しており、非常に歴史的意義が深い場所なのだ。
そんな川中島の戦いから460年が経過した令和の世では、「古戦場」はどのようなエリアとなっているのだろうか。
こちらの疑問に対し、博物館の担当者からは「川中島古戦場史跡公園には、信玄が本陣を構え、戦勝祈願をしたと言われる八幡社を中心に、高坂弾正が戦死者を弔ったとされる首塚が残っています」「また、周辺には合戦で討死した山本勘助の首と胴を繋いだという胴合橋や、同じく討死した信玄の弟・信繁の菩提を供養する典厩寺など様々な史跡があり、全国から多くの方が訪れています」との回答が。
博物館としては、日本古来の「古戦場」でなく「Old Battlefield」として話題となった件について、複雑な思いがあるのでは…と心配したが、担当者は「今回、古戦場の標識が注目を頂いている件は、大変ありがたいと思います」と、笑顔を見せる。
続けて「周辺には川中島の戦いに関連する多くの史跡がありますし、当館では謙信や武田信玄にまつわる資料も展示しています。ぜひ現地まで足をお運びいただき、戦国時代の雰囲気を感じて頂ければと思います」と、じつに懐が深いコメントを寄せてくれたのだ。
また「路線バスでは『Kawanakajima Old Battlefield』と、停留所名がカッコよく英語でアナウンスされます。機会がありましたら、ぜひ聞いてみてください(笑)」ともコメントしており、完全にノリノリである。
長野市を訪れる際は、長きに渡る歴史と浪漫が「国際化」という形で現代と違和感なく融合した魅力を、ぜひ全身で体感してほしい。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)