匿名で届いた謎の小箱、酷すぎる中身にゾッとした 「あり得ない」と怒りの声噴出
ある夏の日、宅急便で送られてきた謎の品物。その中身と品名に「あり得ない」と、怒りの声が相次いでいた。
■素人の動物郵送はこんなにも危険
どういう事?!
ホント命をなんだと思ってるんですか?
宅急便で送られてきて
これじゃ不法遺棄と同じだし…
こんな袋で空気穴もなくカイロまで付けられたら
暑かっただろうに…飼い主が亡くなったなら
協力はします!でも名乗りもせず
命をこんな危ない方法で送るなんてありえないです…… pic.twitter.com/tFk7ttWSHa
— NPO法人ことりのおうち (@aqua87871980) June 22, 2024
ポスト投稿の経緯について、高見さんは「送り主名が記載されていなかったり、郵送方法が危険だったため、送り主さんと繋がり、どれだけ危険な行為なのかを知って頂きたく、二度と同じようなことが起こらないよう多くの方に知って頂きたく、ポストしました」と振り返る。
なお後日、送り主からは謝罪の連絡が届いたそうだ。
じつは「ゆうパック」は特定の条件下で小動物の郵送が可能だが、高見さんが強い怒りを感じているのがその発送方法。
今回の事態について「当法人も動物業をしているため、日本郵便さんが生き物を運んでくださることは大変感謝してます」と前置きしつつ、「業者間ではプロが輸送準備をして発送するためほとんど事故は無いですが、今回のように紙袋を使用したり、カイロが中に入ってたり、空気穴が無かったり、さらには送り主の名前や連絡先が無いのはあり得ないことです」と、苦言を呈す。
加えて「鳥類を送る際は、必ず名前・連絡先等の記載や、段ボールや木箱等の徹底をお願いしたいです」「そもそも、本来は素人さんが送ること自体が危険すぎるので、廃止して頂きたいです」と、忌憚の無いコメントを寄せてくれた。
実際、知識のない人物が鳥を郵送するのは非常に危険な行為で、高見さんは「熱中症や凍死、怪我の危険もありますし、その他梱包の方法等の問題もあります」と、その危険性について強調している。
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■日本郵便は一部「ノーコメント」
哺乳類を除く小動物を「ゆうパック」で送る際には、「健康体であること」「脱出や排せつ物等の漏出がないよう、包装をしていること」「人に危害を与えるおそれがなく、悪臭を発しないこと」などの条件が必須。
加えて鳥類を送る場合は「小型の鳥類であって、近距離あて(原則として同一都道府県内)とすること」という条件が加わる。
今回の取材に際し、日本郵便の担当者は「ゆうパックについては、お引き受けから配達まで概ね1~2日程度を要しますが、この間、内容品に応じた特別な取扱いは行いませんので、当社webサイトでご案内する条件などを踏まえてのご利用をお願いいたします」と、呼びかける。
ところで鳥類郵送の条件にある「近距離あて(原則として同一都道府県内)とすること」という条件に、疑問と不安を覚えた読者もいることだろう。極端な話、北海道の端から端への郵送は可能なのだろうか…?
こちらの疑問に対し、日本郵便からは「小型の鳥類については近距離あて(原則として同一都道府県内)でご利用頂くものとしてご案内しており、運送経路上、複数の地域区分郵便局を経由しない地域あてに限っているため、北海道のように複数の地域区分郵便局が存在する場合、宛て先によってはご利用頂けますない場合がございます」との回答が得られた。
同様に離島に送る場合など、送達に日数を要することから動物の健康等が懸念されるものは、引き受けないケースもあるそうだ。
今回の事例について説明し、高見さんから寄せられた痛切なコメントを引き合いにしつつ、「鳥類のゆうパック郵送」改定の予定等はあるのかを尋ねてみたが、残念ながらこちらに対するコメントは得られなかった。
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■まずは「相談すること」が大切
動物を遺棄する際に使用される、無責任な常套句に「優しい人に拾ってもらってね」という台詞がある。これは罪悪感を軽減したり、耳障りが良いという効果がある一方、あらゆる責任を放棄した、なんの意味もない戯言だ。
同じ人間として恥ずかしい事実だが、「動物の保護施設なら保護してくれるだろう」という身勝手な考えのもと、そういった施設にピンポイントで動物を捨てていく人物も存在する。
高見さんは「ことりのおうち」の活動を開始した経緯について、「飼いきれなくなって手放す方から引き取る鳥もいますが、障害があったり病気だったり、未熟児だったりで行き場のない生き物もたくさんいます」「そういった子たちに、1日でも良いから幸せにしてくれる家族に引き取られ、名前をつけてもらい、幸せを感じて生涯を全うしてもらいたく、活動をスタートしました」と説明する。
そして「何らかの事情で飼いきれなくなり困っている方は、いやいや飼育したり、無理をして飼うのは生き物のためにもならないので、電話にてご相談ください」「保護動物のために支援してくださる方がいましたら、継続型クラウドファンディングにご協力してもらえると救える命も増えるので、よろしくお願いいたします」とも呼びかけていた。
人間と共に生活する小動物らにとっても厳しい真夏日が続く昨今。これを機に、改めて「動物の命の尊厳」について考えたい。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)