このイヤホンでゲームしたらもうヘッドセットに戻れなくなった

このG FITSはゲーミングイヤホンという位置づけになるのですが、ゲーミングだけに使うにはもったいなさすぎる機能があります。

2024/09/12 18:00

GIZMODO

ギズ転載
Photo: amito
※使用中は光りません。アプリから一時的に光らせることが可能です。

2023年4月11日の記事を編集して再掲載しています。

ロジクールのワイヤレスイヤホン「G FITS」。

ロジクールGはゲーミングデバイスのブランド。このG FITSはゲーミングイヤホンという位置づけになるのですが、ゲーミングだけに使うにはもったいなさすぎる機能があります。

なんと、耳の形に合わせてイヤピースが固まるのです。



じぶん専用イヤホンを作る儀式

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熱と紫外線で硬化するので、光に当たらないようパッケージングされています。
 

「カスタムフィット」と呼ばれるこの機能は、LIGHTFORMという独自の素材でできたイヤピースが耳に合わせて硬まることで、自分専用のフィット感を生み出します。自分だけのカスタムイヤホンがお家で、買ったその日に作れてしまうんです。

実際にやってみましたが、めちゃくちゃエキサイティングな体験でした。

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イヤホンを押さえたまま約1分で硬化完了
 

初期ペアリングの操作を終えて、イヤホンを装着。アプリのガイドに従って手で耳を押さえると…

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※成形中はイヤホンを手で押さえます
 

光る!しかも耳があったかい!

LIGHTFORMは紫外線と熱を使って硬化するのですが、その熱と紫外線はイヤホンから発生します。1分ほどで成形が完了。フニャフニャだったイヤピースが、コシのある硬いイヤピースになりました。完全にカチカチではなく、プニっとしたシリコン感は残っています。

ところでこの機能は1つのイヤピースに対して1回きりしか実行できません。つまり、この最初の一回のためだけに紫外線や発熱の機構が搭載されているのです。

もしガイド通りに行なってもうまくいかなかった場合、スマホアプリ「G FITS」からサポートに相談することが可能です。また、スペアのイヤーチップは XS/M/XL のサイズ展開で、4,950 円(税込)で別売り。

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成形後。よく見ると左右で形がすこし違う。
 

なんとも贅沢な機能ですが、うまくフィッティングできれば以後の装着感は快適そのもの。耳の中で点ではなく面で支えられているような感覚で、耳の一部分が痛くなるようなことは今のところありません。

僕は数日このイヤホンでFPSゲーム『Apex Legends』をプレイしていますが、もう重たくて髪が潰れるゲーミングヘッドセットには戻れなくなってしまいました。ヘッドセットに比べて圧倒的に軽い(片耳7.2g)ですし、フィット感がとても良いので長時間プレイしていても疲れません。ゲームの集中力もよく続きます


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遅延の少ない「LIGHTSPEED接続」が可能

G FITSはBluetooth接続のほかに、遅延の少ない「LIGHTSPEED」でも接続できます。LIGHTSPEED接続をするには、同梱のUSBドングルをパソコンやゲーム機に挿すだけ。

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ドングルはUSB-Aで、USB-Cに変換するアダプタも同梱
 

Bluetoothとくらべて圧倒的に遅延が少なく、音が勝敗に影響するFPSゲームでも安心してプレイできるように用意された接続方法です。

イヤホンのタッチセンサーを3回タップすれば、BluetoothとLIGHTSPEED接続を切り替えられます。スマホをBluetooth接続、PCをLIGHTSPEED接続にしておけばタップ操作で自由にスマホとPCを行き来できちゃいます。

ゲーム中の音質もかなり良くて、ふだん使っているゲーミングヘッドセットと比べても遜色なく、敵プレイヤーの足音の方向をしっかり捉えることができました。上下方向にいる敵の足音の再現度については少しだけ物足りなさを感じましたが、だからといって自分の勝率が変わるほど致命的なものではありません。


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PCアプリとの連携は不安定

スマホアプリだけでなく、PC・Macアプリ「G Hub」に対応しているのも普通のイヤホンにはない特徴です。マイク音量の調整やサイドトーン(マイクで拾っている自分の声をイヤホンから流して喋りやすくする機能)のオンオフが可能です。

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ただしスマホアプリ「G FITS」にはあるイコライザ(音質調整機能)がPCのG Hubにはなかったのは残念。スマホアプリからイコライザを「FPS」モードに変えても、PCに接続するとその設定が引き継がれたり引き継がれなかったりします。

さらにG Hubの仕様なのか、特定のゲームでシステム音量が自動でMAXにされてしまい、大音量でびっくりしてしまうといったバグのような現象も起こりました。G FITSはG Hubがなくても問題なく使えるので、最初はインストールせずに使うのがベターかもしれません。アプデで改善されるのを待ちましょう。


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ゲーム以外に使うのはアリ?

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もちろんMacでも使用可能。macOS版G Hubにも対応しています。
 

ゲームだけに使うのはもったいないので、移動中に音楽を楽しんだり、仕事の通話に使ってみたりすることにしました。なんせG FITSは税込3万5750円。ゲームだけのために買うにはハードルが高いことは確かです。

結論から言うと普段使いは「通話しないならOK」。

音楽を聞くためのイヤホンとしてはかなり満足できました。ゲーミング用だけあって広い空間で鳴らしているかのような広がりのある音です。味付けが濃くて低音強めなので、原音重視よりも楽しむための音って感じ。ノイズキャンセリングはないので電車の中では雑音が聞こえてしまいますが、少し騒がしいくらいの場所なら曲を流してしまえば音楽に集中できます。

残念だったのはマイク音質です。AirPodsのマイクと比べるとザラザラしていて曇っているように聞こえます。

スマホやPCで録音して聞くとそこまで違いはないように感じるのですが、インターネットを通したビデオ会議で相手に届いた音は相当聞こえづらかったようで、アプリによっては途切れてしまったり声が遠くなってしまうこともありました。

Bluetooth接続でもLIGHTSPEED接続でもその現象は変わらなかったので、仕事の通話で使うことはあきらめました。ゲームでの通話も検討している人は注意が必要です。


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フィット感に全振りした贅沢イヤホン

G Hubとの連携など少し不安定な部分もありましたが、音楽を聴くときもゲームを遊ぶときも自然とヘッドセットよりG FITSに手が伸びてしまいます。それだけフィット感がいいし、音質もいい。

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※使用中は光りません。アプリから一時的に光らせることは可能です。
 

なによりカスタムフィット機能が画期的だし、最初の1回だけのために発熱や紫外線の機構が用意されているクレイジーさに興奮しました。

ノイズキャンセリングもワイヤレス充電もマルチポイントもaptXコーデックもありませんが、圧倒的なフィット感が手に入ります。耳が小さくてほとんどの完全ワイヤレスイヤホンが入らない僕にとってはありがたさしか感じません。もし仕事にも使えるマイク音質だったら泣いて喜ぶでしょう。

暑くなるこれからの季節、特にヘッドホンでゲームするのが嫌な人には検討してほしいイヤホンです。

ギズモード・ジャパンより転載

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(取材・文/GIZMODO

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