ジャズと聞いて連想する音楽性、6割超のイメージに驚き 「お洒落なBGM」でもあるが…
「ジャズ」と聞いて日本人がイメージする音楽性は、かなり偏っていると判明。6割超が思い浮かべるのは…。
様々なジャンルがクロスオーバーし、多種多様な音楽ジャンルが生まれた現代。中でも「ジャズ」は、相性の良いジャンルを多く持つ音楽である。
では「ジャズ」と聞いて、どのような音楽性を連想するだろうか…?
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■現代日本で「ジャズの魅力」鳴らす名作
2023年2月、同名の漫画を原作とする映画『BLUE GIANT』が公開された。
ジャズに真っ直ぐ、全力で挑む少年(青年)・宮本大の成長を描いた同作にはジャズの魅力がふんだんに詰め込まれており、漫画連載時から「まるで本当に音が聴こえるようだ」という称賛の声が多数上がっていた。
そんな同作が、ついに「音の出る」映画となり、多くのファンが歓喜。
演奏シーンも「ただ単に楽器を演奏する」だけでなく、ステージに上がるまでのプレイヤーの心情やバックグラウンド、音楽に対する真摯な思いが丁寧に描かれる描写が多い。特に沢辺雪祈(ピアノ)、玉田俊二(ドラム)のソロシーンで、涙腺が決壊した観客は記者だけではないだろう。
原作とは異なるオリジナル展開も、原作ファンとして非常に心を打たれるものであった。
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■ジャズは激しい? 穏やか?
Sirabee編集部では以前、全国の10~60代の男女696名に「ジャズと聞いて思い浮かべる音楽性」に関するアンケートを実施したことが。
その結果、最も多い回答は「ゆったり穏やか」(64.2%)で、対になる「速くて激しい」(23.4%)に3倍近い差をつける結果となった。
興味深いのは年代ごとの回答傾向で、「速くて激しい」音楽を連想した割合が最も大きいのは10〜20代(32.7%)で、続くのが60代(30.9%)である点。
前述のように現代のジャズは様々なジャンルとクロスオーバーし、中でも英国のサウス・ロンドンでは、ジャズの要素が強い活きの良いバンドが誕生し、シーンを賑わせている。こうした背景が、若年層からの「速くて激しい」という回答に繋がったのだろうか。
また1950〜60年代は、ここ日本でもジャズブームが巻き起こっていた時代。その頃、まだ幼かったであろう60代の回答者には、当時の「速くて激しい」イメージが根強いのかもしれない。
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■「速くて激しい」で絶対聴くべき2枚
音圧で窓ガラスすらもぶち破るような激しさを表現できる一方、大人の社交場の空気を乱さないBGMにもなれる「音楽性の幅の広さ」もジャズの魅力である。
当然、今回のアンケートにも「正解」があるワケではなく、これは「好み」の問題なのだ。
だが、我われが日常で多く耳にする「店内BGM」の殆どは「ゆったり穏やか」なジャズが採用されており、「速くて激しい」ジャズと出会うには、リスナーの方が主体的に動く必要がある。
そんなジャズを探している人にはぜひ、映画『BLUE GIANT』のサウンドトラックと、Art Blakey & The Jazz Messengersの1964年録音作『Free for All』をオススメしたい。
前者は「映画のサントラ」の説明だけでは不十分な、非常にアツいジャズの詰まった名盤。後者は、まだ「ハードロック」というジャンルすら生まれていなかった60年代前半に「ロックよりも激しくて予測不能な音楽があった」ことを伝える名盤である。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
ジャズが好きだが、Miles Davisの『Kind of Blue』の魅力がまだ分からない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)
対象:全国10代~60代男女718名 (有効回答数)