イギリスの至宝ヘレン・ミレンがおばあちゃん役に ナチス占領下の淡い恋物語から考える「やさしさ」の定義
名匠マーク・フォースター監督が描く『ホワイトバード はじまりのワンダー』が12月6日公開。
ナチス占領下のフランスでの体験を、長い間封印していた祖母。学校を退学になった孫に、あえて語り出すことにした目的とは?
この祖母サラ役をアカデミー賞・トニー賞・エミー賞をすべて受賞した名女優、ヘレン・ミレンが好演する『ホワイトバード はじまりのワンダー』が12月6日から公開。
その口から紡がれる言葉は重くのしかかってきますが、ほのかな希望も感じさせてくれます。その理由は、人が人を思いやる「やさしさ」がカギになるから。この「やさしさ」について、改めて考えてみましょう。
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■ 1942年、ナチス占領下のフランス
『ホワイトバード はじまりのワンダー』は、1942年、ナチス占領下のフランスで、ユダヤ人のサラ(ヘレン・ミレン)が体験した当時のできごとを、孫のジュリアン(ブライス・ガイザー)に伝えるヒューマンドラマ。
現代っ子のジュリアンは、いじめの首謀者だったため学校を退学させられたのですが、本人は自分から退学したとばかりに、まるで自覚がありません。孫の将来を案じたサラは、自身の少女時代を語りはじめます。
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■突如終わる日常
両親と共に暮らすサラ(アリエラ・グレイザー)は、絵を描くのが得意なユダヤ人の女の子。楽しく学校に通っていましたが、ナチスの手は着々と迫っていました。
そんな中、とうとう学校にナチスがやって来て、ユダヤ人生徒たちが連行されてしまいます。サラは、同じクラスで足の不自由なジュリアン(オーランド・シュワート)に助けられ、なんとか魔の手から逃げ切りますが、家にも戻れず、両親とも離ればなれに。そこでジュリアンの家に匿ってもらうことになるのですが…?
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■「やさしさ」がもたらすもの
ヒューマンドラマの製作に定評のある本作のマーク・フォースター監督は、本作を通じて「やさしさとはどういうことなのか、人間同士は信じ合わないといけないし、対話があれば問題は解決できるのではないかという希望を持つこと」を感じてほしいといいます。
命がけで自分を守ってくれるジュリアンのやさしさに、次第に惹かれていくサラ。一方のジュリアンも素直なサラに心を寄せるように。この恋の結末は、歳を重ねたサラの口からつむがれますが、いつの時代も「やさしさ」は、人の頑な心を溶かす作用があるようです。
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『ホワイトバード はじまりのワンダー』
12月6日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー公開
公式サイトはこちら!
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(取材・文/Sirabee 編集部・尾藤 もあ)