自宅で発見した30年前の電話、残っていた留守録に耳を疑う 「絶対捨てられない」と話題に…
断捨離中、約30年前に買った固定電話を発見。留守電に亡き母の音声が残っていると判明し、「これは捨てられない」と話題を呼んでいる。
■27年前、両親から持たされた思い出の電話
断捨離で使わなくなった電話機を捨てようと思って、ふと留守電に何か残してなかったかと思い再生したら、亡くなった母の20年前くらいの声が残っていた。なぜか捨てられなくなってしまった…… pic.twitter.com/odXxuYvZIA
— miDumo🍣録音技師,MAミキサー (@miDumo) January 18, 2025
母との最後の思い出について、水本さんは「2023年に、母が他界しました。しかし私自身が連絡不精ということや、様々な事情が重なり、最後の見送りをできないまま荼毘に伏され、葬儀なども終えた後に『急逝した』との連絡を受けました」と振り返る。
自身にとっては全くの「寝耳に水」の報せであって、整理がつかないままの母の訃報を受けたこともあり、死に目に会えなかったモヤモヤした感覚を、ずっと抱えていたという。
今回投稿した電話の詳細について、水本さんは「大学進学で一人暮らしを始める際に両親から持たされた家財道具のひとつで、27年前の物になります」「現在の家に引っ越してからは家の固定電話は繋いであるだけで使うことなく、20年以上放置していましたが、昨年夏頃に模様替えの際に取り外して押入れで保管していました」と説明する。
そして2025年に入り、断捨離整理の際にふと気になって留守録を再生してみた…というくだりが、今回のエピソードへと繋がるのだ。
当時の様子について、水本さんは「電話機も年代物で劣化しているため、電源を入れて10分ほどは再起動を繰り返したり、再生音もノイズまみれでしたが、次第に正常動作するようになり、7件目に入っていた母の声が聞けました」と、振り返っている。
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■20年越しのメッセージを聞いて気づいたのは…
留守録に残っていた母のメッセージは、仕事に追われた水本さんが体調を崩してしまい、連絡を絶ってしまいがちだった頃のもの。そんな我が子を心配する内容だったという。
当時、録音を消さなかった背景について、水本さんは「当時から母が私を気にかけてくれていたこと、私がそれにちゃんと応えなかったことの葛藤から、消すにも聴くにも…自分ではどうにもできなかったことや、いつか母がいなくなることを予見し、消したくなかったという思いもありました」「その後、この録音を全く忘れていましたが、残しておいて正解でした」と、振り返る。
そして、20年の時を改めてメッセージを耳にしての心境について、「親不孝者の自分で連絡不精ではありましたが、親の深い愛情という面では嫌になるほど愛情を受けており、うざったいとも感じる反面、同じくらい感謝しておりましたので、そのことをもっと伝えられていれば疎遠になることなく母を見送れたのかもしれないという後悔があります」と語ってくれた。
前出のように、水本さんは吹き替えやアニメのアフレコ、CM撮影などの音声をはじめとする「録音」を生業としている。いわば、声や音のプロフェッショナルだ。
そんな水本さんが今回、電話の録音機能を通じて亡き母との再会を果たしたのは、決して偶然ではないだろう。
「音声のプロ」が20年越しに聞いた母の声の微妙なトーンからは、息子を追い詰めないよう気遣いながら、連絡だけはほしいという、親心が改めて感じられたという。
技術の進歩と共に、記録を保持する媒体・コンテンツは今後も変化していくもの。そしてその中には、今回のように思わぬ形で故人との再会が果たせる、粋な機能が搭載されているはずだ。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)