「令和天皇おめでとう」張り紙が不敬すぎると物議 宮内庁は「そのような表現は無い」
「令和天皇」の誕生日を祝う張り紙の表記が「不敬ではないか」と物議を呼んだ。宮内庁は「ご在位中にそのような表現をしたことはない」と、説明する。
当初は違和感のあった元号「令和」も7年目に突入。多くの人が違和感を忘れ、元号に親しみを感じていることだろう。
しかしX上ではつい先日、この令和をめぐる表記が「不敬ではないか」と、大いに物議を醸していたのだ。
■「令和天皇」は適切?
今回注目したいのは、日本全国の選挙・首長・議会・議員に関するトピックを調査し、SNSより発信しているXユーザーのエルさんが投稿したポスト。
「御存命の天皇陛下を元号で呼ぶのって、適切なんだっけ?」と、疑問が綴られた投稿には「祝・令和天皇 65歳の誕生日おめでとうございます」と記された張り紙の写真が確認できる。
そして、この「令和天皇」という表記が、X上で大いに物議を醸す結果となったのだ。
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■「不敬」「あまりにも失礼」と非難相次ぐ
件のポストは投稿されるや否や瞬く間に話題となり、4,000件以上ものリポストを記録。
Xユーザーからは「存命の天皇陛下を元号で呼ぶのは不敬では…」「これはあまりにも失礼」「絶対にダメ、不適切な表現」など、疑問の声が多数寄せられていた。
御存命の天皇陛下を元号で呼ぶのって、適切なんだっけ? pic.twitter.com/DCK4wTkTv9
— エル【選挙・政治】@東京28区 (@L_Wakamono) March 30, 2025
ポスト投稿主・エルさんに話を聞くと、こちらの張り紙は東京都板橋区・東武練馬駅付近の建物の外壁にて発見したものと判明。
エルさんは発見時の感想について、「新聞等では『天皇陛下』と表記されるのが通例なので、『令和天皇』という馴染みのない呼称を見て、疑問に感じました」と、振り返っている。
そこで今回は「令和天皇」という表記をめぐり、宮内庁に詳しい話を聞いてみることに。
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■宮内庁は「そのような表現したことない」
今回の張り紙の内容を受け、宮内庁の担当者は「『明治天皇』『大正天皇』および『昭和天皇』については、崩御後に追号されたものであり、宮内庁では、ご在位中に追号が存在しない以上、ご在位中にそのような表現をしたことはありません」と、キッパリ否定。
明確に「令和天皇」という表記は「あり得ない」という回答が得られたのだ。
なお、今上天皇の表記にも細かいニュアンスが存在するようで、宮内庁の担当者は「(宮内庁では)ご在位中は『天皇陛下』または『今上陛下』としています。『今上陛下』は、『今の天皇陛下である』ことを特に示す場合に用います」と、説明している。
ちなみに、話題の張り紙の末尾には「全ての板橋区民のご多幸を祈る会」「東京都板橋区議会第37代副議長 髙田明」という署名が確認できた。そのため、板橋区議会、および議員の常識を疑う声も少なからず上がっていた。
そこで、東京都板橋区議会事務局に確認したところ、件の髙田氏は確かに、第37代板橋区議会副議長として在任していたことが判明。
しかし、その在任期間は今から36年も前の1989年6月14日から翌年6月19日にかけてであり、髙田氏自身は1999年4月末に議員を退職していると明らかになった。そのため今回の「令和天皇」という表記は、板橋区議会とは「全くの無関係」と考えて良いだろう。
知らずに「令和天皇」という表記を使用していた人は、今日から改めてほしい。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)