「体育会系は出世する」という事実を帰宅部高校生に伝えたら…
成長過程まっただ中の学生時代で培ったものは、大人になり社会に出た後のキャリアに対して非常に大きな影響を与えるとされている。
その学生時代を構成する要素で大きなウェイトを占める「部活動」。じつは、どんなジャンルの部活動を選択してきたかによって、就職した後の出世にも大きな差が出てくるようだ。
■帰宅部は少なくない現実
しらべぇ編集部では全国の20代~60代の男女1341名に調査を行ったところ、もっとも多かった高校時代の部活部は「帰宅部」、つまり「部活動をしてこなかった」が4割ということになった。
以下、30%弱で文化部、運動部と続き、運動部・文化部を掛け持ちしていた人はごく少数にとどまる結果だ。
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■体育会系の人ほど出世しやすい傾向
では、学生時代の部活動は出世にどんな影響を与えるのだろうか?
男性を抽出し、比較した結果、年収の層が上がるほど、高校時代、運動部へ所属していた割合が上がっていることがわかった。とくに、年収700万円以上になると、じつに5割以上の人たちが運動部に所属している。
たしかに、体育会系の部活で得られる社会人としてアドバンテージは、いくつか想像できる。たとえば、忍耐力。出世競争を勝ち抜くには、強靭な「打たれ強さ」が必要。
さらには、人間関係の構築力。上下関係の規律をきっちり守れる体育会系の人間は、比較的、上司から気に入られる傾向にありそうだ。
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■「帰宅部」の高校生の反応は?
体育会系に所属している人間ほど、将来出世する傾向にあるというこの統計結果。これについて、都内のいわゆる「帰宅部」の高校生の反応は、どのようなものだろうか。
「たしかに、野球部の友人は、先輩とすれ違うたびに大きな声で挨拶をしている。将来、帰宅部の自分よりも、悔しいけど会社で上司からいい評価を得られそうだ」(男子・高校2年生)
「別に偉くなりたいと思っていないし、忍耐力を無理に部活で身に付けたいとも思わない」(男子・高校1年生)
「上下関係を強要される環境には、絶対にいたくない。同じ会社に長く勤めるつもりもないし、今のままでいい」(女子・高校2年生)
帰宅部高校生の中でも、体育会系が出世しやすい傾向を目の当たりにして、将来を想像し不安を抱く人がいれば、とくに無反応な人もいる。出世欲がなく、過度な人間関係を好まない高校生も数多くいるようだ。
これも、近年言われ続けている「無気力な若者」が増えてきたことの象徴なのかもしれない。
(取材・文/しらべぇ編集部・桜井洸希)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年2月19日~2016年2月22日
対象:全国20代~60代の男女1341名