1日から電力小売が全面自由化 契約変更を検討している人の割合は…
小売業者による顧客獲得競争はさらに激しいものになると思われるだけに、業者選びは慎重に行う必要があるだろう。
2016年4月1日から消費者が電力小売会社を選択できるようになった。日本の電力市場は、長年地域ごとに設置された10つの電力会社が独占してきたが、その慣習がついに崩れた形だ。
自由化決定以降ガス会社や携帯電話会社、コンビニエンスストアなどが電力小売業への参入を次々と発表しており、競争が激化。一部報道によると、すでに10万3500件の小売先変更があったそう。
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■小売先を変更することを検討している?
電力小売先自由化については不明瞭な点も多く、変更した世帯の反応を見きわめたうえで契約変更に踏みきるか否かを判断しようと考えている人も多い様子だ。
実際のところどれくらいの人が小売先の変更を考えているのだろう。そこでしらべぇ編集部では全国の男女に「電力小売自由化で小売先の変更を検討しているか」聞いてみた。
結果、「検討している」と回答したのは25.8%にとどまり、約7割が現時点での電力小売先の変更を考えていないことが判明。
新規参入企業が昨年から激しい顧客獲得競争を展開していたことを考えると、現在小売先を変更していない人は「とりあえず現状のまま」を選択したのかも。
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■地区別に見てみると…
次に、「変更を検討している」と答えた人を地区別に見てみよう。
都市部ほど変更を検討している人が多く、関西地区が3割強。続いて、関東地区が約3割程度変更を検討していることが判明。両地域とも電力需給の不安が叫ばれた地域だけに、既存の電力会社に不安を持っている人が多いのかも。
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■主な参入企業は以下のとおり
ではどのような企業が電力小売に参入してきたのだろう。主な企業は以下のとおり。
①東京ガス:広瀬すず出演のCMで大々的に宣伝。ガスと電気のセット割引や、インターネットと組み合わせた「トリプル割」サービスを提供。
②KDDI:「auでんき」と銘打ち、携帯電話料金と電気料金の割引プランを提案。
③JXエネルギー:ENEOSカードと連携することで、ガソリンや灯油が割引になる。
④東急電鉄:「東急パワーサプライ」を設立。電車、バスの料金と電気料金をミックスさせたポイントプランを用意。
⑤ローソン:三菱商事と共同で電力小売会社を設立。Pontaカードにポイントを貯めることが可能なほか、コンビニエンスストアとの連携したサービスも。
もちろんこのほかにも多くの会社が電力小売業に新規参入。消費者からすると、どこにしようか迷ってしまう。今後、小売業者による顧客獲得競争はさらに激しいものになると思われるだけに、業者選びは慎重に行う必要があるだろう。
(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国20代~60代の男女1,352名