まるでカーニバル!バリ島のお葬式がド派手で盛り上がりすぎ
バリ島のイメージといえば「神々の棲む島」。島民の9割以上がバリ・ヒンドゥー教を信仰し、厚い信仰心によって日常の祭事が執り行われています。
とりわけ盛大なのが「ガベン」と呼ばれるお葬式です。ガベンは現世の肉体を自然に戻し、魂を神のもとに送るための人生最大の儀式。そのためか、悲しい儀式というよりは、新たな世界に送り出すための華やかな祭礼といった印象です。
まるでカーニバルのような、バリ島のお葬式について紹介します。
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■お葬式代が数千万円!?
バリ島の中央に位置するウブドは、今もバリの伝統文化が色濃く残る地域。
中でもウブド王家は現在でも大きな権威をもち、人々の尊敬を集めています。それだけに王家のお葬式ともなれば、その規模と豪華さはケタ外れです。日本のように、セレモニーホールで葬儀屋さんに任せておけばOKというレベルではありません。
お供え物から死者を乗せる山車(だし)まで、1ヶ月以上かけて親族はもちろん地域の村人総出で寝る暇も惜しんで作りあげます。喪主は資材費に加えて、手伝ってくれる村人たちの食事やお茶など数千人分を賄う必要があるので、噂では数千万円もの費用がかかることもあるのだとか。
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■お葬式ツアーに参加しよう!
さらに驚くのは、観光客向けに「クレメーションツアー(お葬式ツアー)」なるものまで組まれていること。
他人のお葬式を見物させることに、筆者も最初はぎょっとしましたが、こうしたツアーは決して不謹慎なものでありません。多くの参列者に見守られて死者を送ることは、バリ人にとっては故人に敬意を払うことにもなるからです。
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■お葬式パレードが豪華すぎる
ウブド王家のガベン当日には、地元の見物人や観光客らが、メインストリートから壁の上まで重なるように溢れかえります。数百人におよぶ葬儀パレードの列、ガジャガジャと大音量で演奏されるガムランの音は、お葬式ということを忘れてしまうほどに華やか!
メインストリートを埋め尽くす人々
必見は10メートル以上の高さを誇る「バデ」と呼ばれる多重棟の山車と、棺を運ぶための黒牛の巨大ハリボテ「ルンブー」のパレードです。これらを通すためにメインストリートは完全に交通封鎖され、さらには電線までもが切断されます。いずれも50人以上の男たちによって、怒涛のいきおいで運ばれるさまは、圧巻の一言。
多重棟「バデ」
黒牛の巨大ハリボテ「ルンブー」
パレードに参列する地元民や観光客
火葬場のある寺院までパレードした後は、人々が見守る中、数時間かけて遺体を火葬します。(こちらも見ることができます。)その後も、遺骨や灰を海に流す儀式や寺への参拝などが続くので、ガベンが正式に終了するまでには数日間かかります。
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■GWはバリ島のガベンを見に行こう!
来る2016年5月8日に、ウブド王宮のガベンが行われます。ウブド王宮前からメインストリート沿いにかけて、正午から2時間程度パレードが行われる予定です。まだGWの予定が決まっていないという方は、バリ島にガベン見物に来てみて!?
南国のリゾートのイメージとは一味違ったバリ島の魅力に、ぜひ触れてみてください。
写真:2011年ウブド王家ガベン
(文/しらべぇ海外支部・平理以子)