電車で席を譲るときもっとも優先するのは?世代格差も明らかに
多くの電車に設けられている「優先席」。窓ガラスなどにシールが貼られており、「高齢者」「体の不自由な方」「妊娠中の女性」「乳幼児連れの方」といった優先の対象を示すマークが記されている。
優先席でなくても、こうした方々に席を譲ったことがある人は少なくないだろう。しかし、もし席を譲ろうと思ったとき、目の前にこの4タイプの人がいたとしたら…どの順番で「優先」と考えるだろうか?
意地悪な質問ではあるが、限られた社会保障費を配分する政策決定とも通じる判断だ。しらべぇ編集部は、全国20〜60代の男女1338名を対象に調査を実施した。
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■過半数が「再優先」と選んだのは…
もっとも多かったのは「体の不自由な人」という回答で6割に迫った。これは障害者だけではなく、怪我で松葉杖をついているなども含まれるはずだ。
続いて、4人に1人が最優先と答えたのは高齢者。妊娠中の女性、乳幼児連れの人など子育て世代を選んだ人は少数にとどまった。
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■世代別では順位が異なる
今回の調査では、年代・性別・地域・年収など、どのクロス集計においても「体の不自由な人」が1位となった。しかし、それ以下の割合は世代によってバラつきが見られる。
たとえば、30代男性は唯一、妊娠中の女性が再優先と答えた人が高齢者を上回った。また、乳幼児連れが最優先との回答がもっとも多かったのは、20代男性でおよそ1割。同世代でも女性にはこうした傾向は見られなかった。
子育て世代のとくに男性は、妊婦や小さな子供連れでの移動の大変さやリスクを身近に感じている可能性がある。
一方で、高齢者と妊婦の差がもっとも開いたのは50代女性で6倍近くの大差に。優先席はかつて「シルバーシート」などとも呼ばれたように老人をイメージさせるものだったが、そうした意識の名残りや出産・子育て経験者として複雑な思いがあるのかもしれない。
急激に高齢化が進む日本、しかし電車の座席数はもちろん限りがある。狭い車内では、お互いを思いやって気持ちよく過ごしたいものだが、やはり社会保障費を配分する難しさと近しいものを感じられないだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年3月18日~2016年3月22日
対象:全国20代~60代の男女1,338名(有効回答数)