熊本地震の避難所で問題化する「生理への無理解」をデータで考察
今もなお、被害が広まり続けている熊本地震。全国各地から有志による物資が続々と運び込まれているが、依然として不足気味の避難所も多い。
そんな中、とある問題をめぐって議論が巻き起こっている。それは女性の「生理」および「生理用品」への男性の理解、という問題だ。
月経は女性にとって生理現象であり、本来であれば「食事」や「排せつ」と同じレベルで語られるべき内容である。しかし、理解のない一部の男性からは「けがらわしい」「たった1日くらいなくても平気だろう」などという声も出ている模様。
また、政治評論家の小林よしのり氏はBLOGOS上で
「男のコメンテーターが被災地の女性のために生理用品を届けるべきだと言っていたが、わしが古いせいなのか、そういうコメントは女に言わせるべきであって、男が言うと気色悪いと感じた」
などと記載。こちらも反発を招いている。
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■今後のために知っておきたい生理にまつわる3つのデータ
ところで、しらべぇでは過去にさまざまな調査を実施しているが、「生理」を取り上げたものも少なくない。
①生理用品の購入を代行した男性は圧倒的に少数派
妻や恋人と生活をともにする男性であれば、生理用品をパートナーの代わりに購入することは一見、珍しくなさそうにも思える。しかし、しらべぇの調査では、経験者はたったの9.0%であることが判明。
この数字の低さが、男女間での対話の少なさを生み、結果的に思わぬトラブルを招いているのかもしれない。
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②辛いのは生理中だけではない
月経の最中の一週間程度、女性は多くの血を流すが、一方で生理前にも頭痛、微熱、めまいなどの症状が出る女性も少なくない。
「PMS(月経前症候群)」と呼ばれるこの症状では、鎮痛剤を服用する女性も多いのだ。必ずしも、「生理用品があればそれでいい」というわけではない事実を示している。
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7割の女性が「PMS」を経験!ワイルドになっちゃう「生理前の衝撃体験談」を調査
③救急車を呼ぶほどの激痛のことも…
生理痛は人によって重さの度合いが違うとされているが、中には「激痛すぎて救急車を呼んだ」という人も…。下記の記事では、意外にも「救急車利用」に理解のある男性が多いことがせめてもの救いか。
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■求められるのは「淡々と話せる態度」?
男性の無理解を非難する世の声を聞いていると、男性の中には「女性の身体について進歩的に理解していることが優れている」ような気になってくる人もいるかもしれない。
しかし、当の女性たちにとっては、それもまた違うようだ。しらべぇ取材班はかつて、一時的に避難所で暮らした経験のある女性(30代)に話を聞いた。
「別に、大仰な感じで話してほしいわけではないんです。『ティッシュが必要です』みたいな感じで、淡々とした普通のトーンで話せる男性が一番いい。
性的な目線を持たれるのは言語道断NGだけど、生理が特別とか、『生命の神秘! 妊娠してくれてありがとう!』とか、そういった変な視線をもたれるのも面倒」
男性にはなかなか実感しにくいこの問題。やはり、大事なのは日頃からの話し合いなのだろう。
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