これは非常識!「サザエカレー」が島根・隠岐では常識だった
サザエを使う料理といえば、なんといっても「つぼ焼き」がメジャー。新鮮なら刺身もうまい。すなわち常識である。
とはいえ日本は広い。島根県には、ふんだんに採れるサザエを惜しげもなく「カレー」に使う離島がある。なんという非常識なメニューであろうか。
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■「サザエカレー」は家庭料理
離島とは、日本海に浮かぶ隠岐諸島のひとつ「中ノ島」(島根県隠岐郡海士町)。Iターンによる若者らの移住が盛んなことで有名だ。
サザエ入りのカレーは島の家庭料理で、調理法は極めてシンプル。
①殻ごとゆでたサザエから身をはずす
②ほろ苦い肝は取りのける(取りのけない家庭もある)
③タマネギなどの野菜とともに煮込む
④市販のルーを溶かしてまぜる
「サザエカレー」の出来上がりである。
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■「島じゃ常識」 その理由とは?
中ノ島の位置は、本土から約60キロ。冷凍技術が未熟な時代は牛肉や豚肉、鶏肉など肉の入手・保存が困難で、食生活の中心は地元で採れる海産物に頼っていたという。
中でもサザエは、身近な海産物のひとつ。つぼ焼きに飽き、刺し身に飽きて、紆余(うよ)曲折の末にたどり着いたメニューが「カレー」ということらしい。なにせサザエは、思い立ったらすぐにでも「海から拾ってこられる」食材なのだ。
現在では、レトルトパックを土産物として商品化。その名も「島じゃ常識 さざえカレー」として売り出している。
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■カレー「牛豚論争」よそに…
肉が食卓に上るようになった現在も、サザエカレーはやはり健在。隠岐エリアの飲食店では、一般的なカレーライスと同程度の価格で提供しているところがある。
「カレーの肉は牛肉か?豚肉か?」といった論争をよそに、斜め上から隠岐では「サザエが常識」なのであった。
(取材・文/しらべぇ編集部・上泉純)