一着の洋服が手元に届くまで…どれだけの人たちが触ってる?
洋服が自分の手に届くまで、いったい何人の手に触れているのかを考えたことがあるだろうか。
しらべぇ取材班では、アメリカ発のアウトドア系アパレルブランドで働く40代の女性店員に「1着の洋服が売れるまで」の流れを聞いてみることに。
■あなたの手元に洋服が届くまでの流れ
流通はブランドやお店により異なるが、ここで紹介するのはごく一般的なものである。
①洋服を作る人
「ブランドによっては人の手によって作られることもあれば、できたものをチェックするときに人の手に触れられることもあります。洋服になる前の糸や布の段階で、人の手に触れられることも」
②袋詰めする人
「できたものは1枚ずつクリアの袋に梱包されて出荷されますが、この作業はチェック機能もかねて手作業で行なうことがほとんどです」
③陳列する店員
「袋詰めされた服がダンボールに詰められて、日本の配送センターを経由して店舗にやってきます。これを受け取った店員は、クリアの袋から取り出して陳列します。
ちなみにですが、このときのクリアの袋はゴミとして捨てられることもあれば、レジ下の簡易ゴミ袋として活躍することも」
④お店で洋服を手に取る客
「もちろんですが、試着することもありますよね。何人ものお客さんに触れられている服もあります」
⑤たたみ直す店員
「お客さんが手に取りグチャグチャになったものを、キレイにたたみ直して並べます。お店にいるときは、この作業が多かったりしますね」
⑥返品する店員
「売れなかった服は一度配送センターに戻されるため、店員は管理票にチェックを入れながらダンボールに箱詰めをします」
⑦配送センターで袋詰する人
「こうして戻ってきた服は、セール品としてタグを付け替えて再出荷したり、アウトレット専門店に出荷されたりする。このときに、再度クリアの袋に入れる作業が発生する」
⑧陳列する店員
「前述の通りですが、売れるまでこの作業が続きます」
⑨手に取る客
「こちらも前述のとおり、お客さんが試着することもあります」
⑩レジをする人
「セール期などは、バーコードをよむ人と服をたたんでショップ袋に入れてくれる人が違うこともあるのは、ご存知のとおりでしょう」
■その服は10人以上の手が触れていた!
野菜などの生鮮食品は「生産者の顔がわかったほうが安心する」といわれるが、洋服となるとそこまで考えない人もいるだろう。むしろ、たくさんの手垢を気にする人が多いのではないか。
だが、1着の洋服が自分の手元に届くまでに、いったいどれだけの人が関わってきたのかを考えてみると、ありがたみを感じることもできるはず。今あなたが着ている服にも、思いをめぐらせてみてはいかがだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・後藤あい)