採用するなら「新卒・既卒」どっち?日本の新卒主義に変化か
現在の日系企業の大半は、「新卒新卒一括採用」を取り入れている。そのため、「大学在学中に内定を取り、卒業と同時に就職する」といったルートが一般的だ。
一方で、新卒時に諸般の事情で就職できなかった人や、就職はしたものの短期間で辞めた人には、その後のキャリアの選択肢が狭くなる問題点がある。
この日本の新卒主義に関して、世間はどう思っているのだろうか? しらべぇ編集部は全国の20代~60代の会社員経験者448名を対象に、「自分が採用担当だとしたら、既卒よりも新卒を採りたいか」について調査を行なった。
■若い人はやや新卒重視「ライバルが増える…」
新卒状態に比較的近い世代である20代では、3割の人が、「新卒を選ぶ」と回答。これは、20代の多くが新卒で就職してるため、既卒を選択されるとライバルが増えて競争が激しくなるからだと思われる。
だが、これが30代の中堅クラスになってくると数値が2割以下になり、大部分が「既卒派」と回答している。目の前の仕事に追われると、長期的に教育する必要のある新社会人よりも、即戦力がほしくなるからだろう。
いずれにせよ、全年代を通して「新卒にはこだわらない」という調査結果が見て取れた。
■新卒主義はそろそろ終了?
日本の労働法では、就職時に年齢で差をつける年齢差別は禁止されているものの、就職時の年齢が日本企業に入社する上で極めて重要なのが現状だ。
しかし、実際に働いている人たちの声を聞いてみると、「新卒を取りたい」という意見は少なく、多くの人が新卒主義に疑問を持ち出しているのかもしれない。
今年に入り、安倍政権が「同一労働・同一賃金」の検討に入るなど、このところ労働問題にまつわる改革が取り上げられている昨今。今後の労働市場の改革に注目だ。
(文/しらべぇ編集部・渡邉ハム太郎)
【調査概要】 方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年4月22日~2016年4月25日
対象:全国20代~60代の会社員経験者男女448名(有効回答数)