『笑点』勇退の桂歌丸が愛した街・横浜橋通商店街で歌丸探し!
2016年5月22日…今日、歴史が動いた。
放映50年の人気ご長寿番組『笑点』に初回から出演し、近年では司会者を務めていた桂歌丸師匠が、同番組を勇退。多くの笑点ファン、桂歌丸ファンにとって、忘れられない日となっただろう。
歌丸師匠は横浜市南区真金町の出身。横浜市市民功労賞、横浜文化賞など受賞。2010年からは大衆芸能専門館である「横浜にぎわい座」の館長に就任するなど、横浜を拠点として精力的に活動してきた。
そんな歌丸師匠が愛した街が横浜にある。それが、1928年に前身である横浜橋相互会が設立され、横浜市民の生活を支えてきた横浜橋通商店街。歌丸師匠は同商店街の名誉顧問を務めている。
笑点の顔として我々を楽しませてくれた桂歌丸師匠の足跡を、同商店街で探してみよう。
■この街がいいね、と歌丸師匠が言ったから
横浜市営地下鉄阪東橋駅から徒歩2分のところに横浜橋通商店街はある。入口そばの大通り公園には2011年に植えられた「歌丸桜」。春には見事な桜を咲かせる。
商店街の裏通りにある金刀比羅大鷲神社。安政6年(1859年)に創建された同社にも歌丸師匠の名を発見!
至る所に歌丸師匠を感じる。
130を超える商店が軒を連ねる横浜橋通商店街で、歌丸師匠のサインが飾られた、店頭に家庭的な惣菜が並ぶ大野屋を発見。
お話を伺うと歌丸師匠と古くからの付き合いのあるお店だそう。師匠が身体を悪くしてからは「なかなかお会いできない」と少し寂しそうだった。
大野屋の隣には高橋薬局。2008年ごろから、歌丸一門による「よこはまばし寄席」が開かれ毎回大盛況だという。近年では近隣のやすらぎ保育園でも同寄席が開催され、より地域に密着した活動をしているようだ。
■絶品そば店で笑点に出会う
長年、歌丸師匠が舌鼓を打ってきたそば店、安楽にお邪魔した。
入店すると、笑点メンバーのサイン色紙が目に飛び込む。歌丸師匠の行きつけのお店なんですよね、と尋ねると「お店にはあまり来られません。出前が中心」とのこと。
そして「ちょうど今日、これをいただいたのよ」とお店に飾られた白い箱を指さした。
こちらは笑点50周年を記念した、関係者だけに配られた非売品。「開けずに大切に保管しておく」とのことで中は分からなかったが、箱の裏側から紫の手ぬぐいのようなものが見て取れた。
「主人が出前に伺ったら、ちょっと待って、って奥から走ってきてこれを下さったの」と目を細めていらした。歌丸師匠と安楽の関係性、歌丸師匠のお人柄が伝わるエピソードに心が温かくなる。
せっかくなので身体も温めたい。歌丸師匠は「たぬき」か「よこはまばし」がお好みとのことで、よこはまばし(1030円)を注文。
厚いかき揚げの上に、とろみのついた熱い餡をかけた、出汁の効いた関東風のそば。かき揚げには大粒のエビ、カボチャなどが盛りだくさん、口にするたびに食感と味が変わる。
餡で閉じているため、熱を失わず、最後まで熱々のそばを楽しんだ。歌丸師匠が贔屓にするのがよく分かった。
■桂歌丸を愛する街
横浜橋通商店街の至る所に、歌丸師匠の姿が浮かび上がっていた。
歌丸師匠についてお話を伺った際、誰しもが喜々として歌丸師匠との思い出を語った。自分が、家族が褒められているように、本当に楽しそうに胸を張って。
商店街に根付き、愛されていることがほんのわずかな時間でも理解できた。歌丸師匠が愛した街、横浜橋通商店街は「桂歌丸を愛する街」でもあったのだ。
【安楽】
・住所 神奈川県横浜市南区真金町2-18
・営業時間 11:00~20:00(水曜定休)
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(取材・文/しらべぇ編集部・サバマサシ)