伊勢志摩サミット開催を前にテロへの警戒を 「金曜夜」が危険か

2016/05/24 05:30


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ここ最近、「ソフトターゲット」という言葉が連日叫ばれている。数ヶ月前まで、この単語が日本の一般市民の耳に届くことはあまりなかった。だが伊勢志摩サミットを間近に控えた我が国は、ソフトターゲットの警備に力を注ぐようになった。

日本全国の主要都市で警官の巡回が多くなったのは、まさにこれが目的である。


■ソフトターゲットとは?

軍隊において、重要度の高い施設ほど警戒度も高い。たとえば核ミサイル発射基地などはもっとも警備体制の整った施設である。ここを攻撃することは、ほとんど不可能に近い。

一方で、同じ軍の施設でも廃材置き場などはさほど警戒度は高くない。なぜなら戦略上重要な拠点ではないからだ。これこそが「ソフトターゲット」である。

つまり攻撃実行者から見て「撃破しやすいかそうでないか」という基準でもあるのだが、今日では施設の重要度と警戒度は必ずしも一致しない。

ハードターゲットである在日米軍基地を爆破するのは、さすがに無理だろう。だがその周囲にある繁華街は? ライブハウスの入り口に銃を持った兵隊が立つことはない。同じ米兵を殺すなら、基地ではなく繁華街に爆弾を仕掛けたほうが遥かに簡単だ。


■テロリストはこの日を狙う

また、当然ながらテロの対象は軍人に限らない。現代では民間人を多数殺傷することが、テロリストからの政治的メッセージになる。だから金曜夜のバーやレストランは絶好のソフトターゲットだ。

去年発生したパリでの連続テロも2015年11月13日、すなわち金曜日の夜に発生した。となると、今の日本にとって5月27日はとくに警戒すべき日ということになる。

この日の夜は伊勢志摩サミット終了直後、そしてオバマ大統領が広島のホテルにチェックインしている頃だ。名古屋ではパン・ギムン国連事務総長やアジア、アフリカの首脳が拡大会合開催を待っている。


■一般市民も警戒を

もちろんこれは、「金曜日以外の日はより安全」ということではない。少なくとも今週いっぱいは、日本全国で厳しい警戒態勢が敷かれるだろう。一般市民もそうしたことに配慮するべきだ。新幹線駅の待合室のベンチに荷物を置き、トイレに行く……ということも避けたほうがいい。

防犯上の理由ではない。日本よりもテロが発生しやすい国の場合、大きな荷物を抱えた者は真っ先に疑われる。それを公共施設に置くなどというのは「私を被疑者にしてくれ」と言わんばかりの行為なのだ。

我が国は今、「近代史上最大の外交イベント」を控えている。それを忘れてはいけない。

・合わせて読みたい→もし、爆破テロに遭遇したら?事件から学ぶ「サバイバル術」3つ

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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