男性教師が教え子に2900通のLINE 「俺通信」のヤバさを調査
それぞれが真面目に考えなおすタイミングにきているのではないだろうか。
横浜市内の私立中学校に勤務する42歳の男性教師が、教え子である女子生徒や卒業生に対し、のべ2900通以上に及ぶメッセージをLINEで送信していたことが、一部メディアで報じられた。
事件が起こったのは2015年春から今年2月頃まで。「好き」「かわいい」などのメッセージを送っていた他、女子生徒に抱きついたり、手を握るといったセクハラ行為も行なっていたそうだ。
■「俺通信男子」は少なくない
幸い、男性教師は20日付けで退職したとのこと。しかし、信頼して接するべき存在であるはずの教師から、性的ニュアンスを含む接触をされた女子生徒たちは、心の傷になった可能性も高い。
ちなみに、女性に対し一方的かつ個人的なメッセージを送る男性のことを「俺通信男子」と呼ぶ。女性からしてみれば、意中の相手でもなんでもない男性から立て続けにメッセージが送られてきたら、恐怖以外の何物でもない。
しらべぇ編集部の調査では、「俺通信男子の被害に遭ったことがある」のは女性全体で6.7%、20代では9人に1人。全体的な数としてはそこまで多くはないものの、10人に1人は遭遇してしまうらしい。
前述の男性教師が果たして「俺通信男子」だったのかは定かではないが、いずれにせよ、距離間の取り方を大きく間違えたことに変わりはない。
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■「俺通信ウォッチャー」が感じた恐怖
SNSが社会に普及した結果、他者とのコミュニケーションをうまくできない人が増えたというのは、このような事件の際には多く語られることだ。なぜ、一方的なメッセージを送ることが、相手にとって不快であることを想像できないのだろうか?
しらべぇ取材班は「俺通信男子を観察するのが趣味」だと語る20代男性との接触に成功。彼に話を聞いてみた。
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■頭の中でものがたりが完結
「俺通信男子にはいい意味でも悪い意味でも、びっくりするくらい鈍い人が多い。他者の感情の動き、機微がまったくわからないんです。私が以前いた会社にも、親しくない女性にいきなり『みんなでプール行かない?』『浴衣で花火行こうよ!』とか言う男がいました。
いつもいつもtwitterで『誰か飲も~』『あそび行きたいな』『さみしい』『京都日帰りは○万円か…』とかつぶやいているけど、何度断られても自分が気持ち悪く思われていることに気づかない。
コミュニケーションは複数人がいてはじめて成り立つのに、まるで自分しか存在していないんです。すべての物語は彼の頭の中で完結している。最初は彼のtwitter、LINEのつぶやきを全部スクショしてすごいなあって見てたんですけど…
だんだん怖くなってきて止めました。彼の中にも感情は存在しているんでしょうけど、あまりに他の人の気持ちを反映していないので、なんかゾンビみたいに感じてしまいまして。彼の場合、犯罪者になる大胆さもなさそうなのが不幸中の幸いですね…」
人が生きていく以上、他の人と関わらないのは不可能だ。「人の立場になって考える」という、ごく当たり前かつそう簡単ではないことを、それぞれが真面目に考えなおすタイミングにきているのではないだろうか。
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代のLINEユーザーの女性270名