愛と平和と家族のために！ヒーローの恋愛結婚事情について

こんにちは、モノブライトのベース、出口です。 6月は結婚式シーズン「ジューンブライド」ですが、みなさん由来はご存知ですか？

元々はヨーロッパに浸透する言い伝えで、日本では梅雨時期に売り上げが落ち込むホテル業界が「6月に結婚すると幸せになれる」と仕掛けたからだそうな。

企業戦略的な側面もありますが、結婚は一生思い出に残る素敵な行事であることには変わりありません。本記事ではジューンブライドにちなんで、ヒーローの結婚について調べてみました。

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■愛のために戦い、散った戦士

特撮作品の中で明確にメンバーの結婚にいたる恋愛が描かれた作品は、『鳥人戦隊ジェットマン』（1991年）です。

基本的に「敵味方双方入り乱れた恋愛模様」が主軸となり、子供がメインターゲットとは思えない昼ドラよろしくの複雑さ。

ジェットマンのリーダー、レッドホーク・天堂竜（てんどうりゅう）。彼に想いを寄せる良家のお嬢様ホワイトスワン・鹿鳴館香（ろくめいかんかおり）。

ホワイトスワンに一目惚れし、天堂竜と反目する元チンピラのブラックコンドル・結城凱（ゆうきがい）。

この3人の三角関係を軸に、結城凱と同じくホワイトスワンに一目惚れしてしまった引っ込み思案の農家の青年イエローオウル・大石雷太（おおいしらいた）。

戦隊内だけでもこの絡み方ですが、レッドホークの元彼女（リエ。事故で行方不明）が敵側「バイラム」に洗脳され敵幹部マリアとしてジェットマンの前に立ちはだかります。

バイラム内でもマリアに屈折した愛情を注ぐ幹部ラディゲ、密かにマリアへ好意を寄せるロボット戦士グレイと、こちらでも恋愛模様が繰り広げられることに。

すべての戦いが終わった後、紆余曲折あったレッドホークとホワイトスワンは晴れて結婚式をあげます。

結城凱は2人を祝福するため結婚式会場に向かう途中、ひったくり犯に遭遇し制止しようとしたところ刃物で刺されてしまい重症のまま結婚式会場へ。

レッドホークと会話を交わしベンチで静かに息を引き取るシーンは、切なさがこみ上げるシリーズ屈指の名場面であり「愛のために戦ったヒーローの物語」を決定付けた瞬間でもあります。

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■平和と家族を守る子持ちヒーロー

自らがお父さんであり、家族を守りながら平和を守るヒーローは『爆竜戦隊アバレンジャー』（2003年）の伯亜凌駕（はくありょうが）と、『獣電戦隊キョウリュウジャー』（2013年）の有働ノブハル（うどうノブハル。通称ノッさん）。

厳密には両者とも、じつの子供ではなく身内が亡くなってしまい子供と一緒に生活しているという状況ですが、その絆は本物の家族以上のものがあります。

キョウリュウジャー2話でノッさんが「家族が弱点じゃない、力の源なんだ！」と気付き力を発揮する場面は、世のお父さんは自分と重ね合わせ、涙無くして見られないのではないでしょうか。

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■戦う主婦！？　結婚後も戦う異色ヒロイン

ヒロインの結婚後の生活を描いた作品が『美少女戦麗舞（セレブ）パンシャーヌ 奥様はスーパーヒロイン！（2007年）』です。

元ヒロインのセレブになることを夢見る28歳1児の母、という特撮ヒーロー番組史上初のヒロイン。

戦いは麗しく舞うと書いて戦麗舞（セレブ）と読ませる、劇中では「その歳で美少女はおかしい！」というツッコミなど、かなりコメディ寄りの作風です。

しかし、ヒロイン業と主婦の二重生活により家庭崩壊の危機に瀕するなど、ヒロインであることのしわ寄せがリアルな形で現れる場面もあり、冷静に考えるとヒーロー・ヒロインは正義の味方としての責務と自分の生活のあいだに挟まれている場合もあるのだ、と気づかせてくれます。

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■ヒーローだって恋をする

他にもメンバー内で好意を寄せる描写が見られたり、ゲストキャラに対して恋心を抱く場面も多くあります。

ヒーロー・ヒロインの本懐は、誰かのために戦い、守ること。恋愛や結婚も相手を想う気持ちがなくてはなりません。彼らの恋愛事情は、時に静かに、時に戦う姿と同じように情熱的なのでしょう。

（文／モノブライト・出口博之）