たかまつななが東大の学祭で公共政策について語りますわ
皆さま、御機嫌よう。東京大学に通いながら、お笑い芸人をしている、たかまつななです。東大の学園祭に潜入しました。
人ごみが大っ嫌いな私ですが、東大の文化祭なら別。他の大学とはどのようにに違うのだろうかと、ネタ集めのためにも潜入取材しました。
■大学祭のシンポジウムに参加
意外なことに東大生でも、たこ焼きや焼きそば、フライドポテトを販売していて、ちょっと普通の光景を残念に感じてしまう自分もいます。
しかし、自分が受験の際に使った参考書を販売したり、東大生がおすすめする参考書ランキングなどのブースがありました。これは受験生には参考になるかもしれません。
私が東大の学園祭に来たのは、シンポジウムに登壇するためです。伝統ある学祭「五月祭」において、「知の化学反応を体感せよ~未来を見据えた公共政策とは~」(主催・学生団体GEIL2016)というフォーラムが開催されました。
登壇者は、お笑いジャーナリストのたかまつなな、政策研究大学院大学教授の飯尾潤氏、そのほか政策形成の最前線で活躍している官僚や教育現場で活躍している教師など計5名です。
。
■今後求められる大学像とは
まず初めに議論のテーマになったのは、今後求められる大学像についてです。
飯尾氏は時代の変化と共に求められる能力も変わってくるのだから、それに対応するように自分で考えて勉強していくことが重要と発言されました。
私は、東大生は、東大という村社会からも出て、多様な人と話す必要性があることを訴えました。
現在の一律試験が小中高に悪影響を与えているから、個性を活かせる推薦入試に全大学変えるべきとの急進的意見もほかのパネラーから飛び出し、議論が白熱しました。
■目的を持った教育政策を
議論はそこから教育政策への移行しました。現在の教育政策の問題点は、世の中の目指すべき方向性、目的を考えずに方法だけ場当たり的に変化させている部分にあるという飯尾氏の指摘がありました。
教育議論は自分の原体験が強すぎてデータベースではなく昔の感情を基に議論してしまいがちなのが良くない。今の社会状況を鑑みて目的を考えるべきとの意見も飛び出しました。
また、官僚からは現在の政策立案は教育が供給者目線から消費者目線のものに変わりつつあるという現状も説明されました。
■ひとりひとりが課題を考えること
最後に議論のテーマはどのようにしてひとりひとりが公共を考えるべきかという議論に移りました。私は大きな社会の問題点として、批判はするけど解決策を考えず思考停止になることが多い点を指摘しました。
それを受け、多くのパネラーから意見があったのは、政策はあくまで手段であるということです。目的、すなわちイシューが最初にあってそれを間接的に解決する手段が政策なのです。
それぞれがイシューを考えること、それが将来社会を大きく考えていくことに繋がります。その考え方として飯尾氏は、以下のように主張しました。
「一気に国家というような大きな規模で考えることは普通はできない。また、政策はひとりで作ることもできない。だからこそ、それぞれが身近なテーマからイシューを感じ取り、想像力をもって考え議論していくことが政策を考えることに繋がる」
しかし、政策にはトレードオフがつきものであるという付帯条件も述べられました。限られた資金や条件の中で、どうしていくかという発想プロセスが重要であると官僚からの指摘もございました。
ディスカッションの最後に、私は政治政策の敷居を下げるために、全国の高校に出張授業をしていることをお話させていただきました。
18才選挙の導入にあたり、選挙を楽しく、面白く感じてもらおうというものです。笑いながら感覚的に捉えてもらうために奔走しております。
取材OKで、選挙前に出張授業にきてほしい!という学校がございましたら、株式会社笑下村塾までお問い合わせください。
本シンポジウムの主催である学生団体GEILは「学生のための政策立案コンテスト」を毎年主催しております。1999年の第一回目以降本年で18回目。
本年は、8月22日~8月29日にかけて、全国各地から学生80名を募集してコンテストを実施するそうです。実際に現場や省庁に訪問するんですって! まもなく参加者募集開始だそうなので、気になる方はぜひ。
(文/お笑いジャーナリスト・たかまつなな)