伊勢志摩サミットとスナック菓子 「限定仕様商品」を報道陣に配布

2016/05/31 05:30


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伊勢志摩サミットは、まさに戦後日本最大級の外交イベントだった。そして同時に、日本の技術や物産をPRする場でもあったのだ。

プレス関係者に対しては、全員に「サミットバッグ」というものが配布された。このバッグ自体は日本製のトートバッグで、非常に仕立てのいい製品である。その中身を見てみると、さまざまな土産が詰まっていた。

注目すべきは、お菓子の詰め合わせ。こちらも報道陣にしか配布されない「サミット仕様」である。


■海外でも人気の抹茶

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まずは、上の写真をご覧いただきたい。入っていたお菓子は『ポッキー』『ハイチュウ』『宇治抹茶カステラ』、そして『カントリーマアム』である。

よく見ると、いずれの商品にも伊勢志摩サミットのロゴマークが付いている。宇治抹茶カステラを生産した井村屋の公式ツイッターでは、これがサミットバッグ限定の包装だということが確認できる。

そしてカントリーマアムに玉露入り抹茶というバリエーションがあることは、案外知られていない。じつはここ最近、日本に限らず世界では抹茶ブームが巻き起こっている。「寿司」という単語が英語化されているように、「抹茶」も「Matcha」で通じてしまうほどだ。

従って、「抹茶味の菓子」を土産としてチョイスした外務省の行動は正しかったと言える。


■商品を無料で配布

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今回のサミットでは、こうした「商品PR」がところどころで行なわれていた。

国と自治体は国際メディアセンターの建設と運営に巨額の資金を投じているが、それは費やされた額を補って余りあるリターンが見込めるからである。伊勢志摩サミットには「経済活性化のためのイベント」という色合いが非常に強かった。

また、日本のスナック菓子は国際的な評判が非常にいい。普通、スナック菓子というのは「小腹を満たせればそれでいい」という趣旨のものであるが、日本の商品はとても繊細な味だと誰しもが口を揃える。


■「進化」か「退廃」か

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あえて悪い言い方をすれば、サミットは「商品の見本市」と化したのかもしれない。当初の先進国首脳会議とは、経済先進国の首脳をどこかの建物に半ば監禁して直面する問題を討議させるというものだ。

いや、「監禁」は言い過ぎかもしれないが、それでも第1回サミットはフランスのランブイエ城という建物の中で、まさに各国首脳と通訳と数人の護衛しかいない密室で開かれた。

そのサミット自体が今や、商的価値をもたらすようになった。これを「進化」と捉えるか「退廃」と捉えるかは人それぞれだが、少なくとも伊勢志摩サミットが大きな混乱なく閉幕したことは誰しも評価するべきではないか。

・合わせて読みたい→伊勢志摩サミットの美食事情 無料・食べ放題で各国記者をもてなす

(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

スナック菓子取材抹茶
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