ニッポンの6月は「雨」なのか?気象データが静かに反証
気象庁が6月4日、九州から近畿・東海までの広い範囲で「梅雨入りしたとみられる」と発表した。続く関東・甲信地方は、早ければ今日にも梅雨入りしそうだ。
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■「6月といえば雨」なのか?
とかく雨のイメージが先行する6月だが、東京では、さほど雨が多い月だとはいえない。
気象庁が公開している「過去の気象データ」によると、1981(昭和56)年から2010年にかけての30年間に、6月の東京で1ミリ以上の雨を観測した日の平均日数は11.4日。 5月の10.3日と比べると「雨の日」は、わずか1日ほど多いだけだ。
例年、梅雨入りが早い九州・鹿児島では、6月が14.6日。5月は10.0日だから、こちらでは「雨の日」が際立つ。
梅雨がないとされる北海道・札幌では、5月の9.6日に対して6月は8.2日と、かえって6月に「雨の日」が少なくなるようだ。
さらに月別の降水量を色分けした図で見ると、雨の「量」は国内の広い範囲で6月より7月に多くなることもわかる。
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■「晴れの日」は少ない
とはいえ、スッキリと晴れる日が少ないのは6月ならでは。同じく30年間で見ると、東京で日照率40%以上の「晴れの日」は、5月の15.2日に対して6月は10.9日と少ない。鹿児島でも5月=15.9日・6月=10.7日と同様の傾向だ。札幌では、5月=16.7日・6月=15.1日で大差がなく、6月は5月の東京並みによく晴れる。
となると3都市のうち、「雨」のイメージで6月を語れそうなのは鹿児島のみ。東京では「曇り」が妥当で、札幌は「晴れ」を天気の代表に位置付けてよさそうだ。
なお月別の日照時間を色分けした図で見ると、やはり6月は5月に比べ、全国的に日差しの恵みを受けにくくなることがわかる。ただし東北や北海道の太平洋側では、むしろ7月のほうがスッキリしない天気になることが多いようだ。
たとえば5月から7月にかけての北海道・釧路では、どの月も16日ないし17日と半分以上の日で「霧」を観測している。
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(文/しらべぇ編集部・前田昌宏)