騒音トラブルの原因は意外にも…現役探偵に話を聞いた
2016年は日本中で騒音トラブルによる殺人事件が相次いで発生している。
兵庫県尼崎市で発生した事件では、文化住宅2階に住む女性2名が男性に襲われ、1名が死亡。東京都江戸川区で起きた事件では、拳銃によって2名が頭部を撃たれ射殺された。いずれの事件も騒音に端を発したいざこさが原因だと断定されている。
このような話は決して他人ごとではない。とくに人口過密地帯といわれる地域に住む人々にとっては、避けては通れない道だ。
そこで、北海道最大の探偵社「さくら幸子探偵事務所」の専属カウンセラー姉崎一美氏に実際にあった騒音トラブルと、その解決方法について話を聞いた。
■毎晩犬が鳴き続ける?
Q.探偵社にはどんな相談が寄せられるんですか?
「さまざまなものがありますが、数年前に、ある女性から夜中に犬の鳴き声がうるさくて眠れないという相談を受けました。しかも一匹の犬ではなく、周辺で飼われている犬が一斉に吠え始めるとのことでした。それも毎晩です」
Q.なにか理由があったんですか?
「深夜に犬が鳴くというのは珍しくありません。ただ、毎日というのは普通はありえません。そこで依頼者に詳しく話を聞くと、どうも夜間に犬を散歩させている人がいるようなのです」
Q.その犬が原因で、周辺の犬が騒ぎ出していたのですか?
「そういうことになります。ただ、その人が誰なのかわからず、話し合うことができなかったので、まずは調査を行なって誰なのかを調べることにしました」
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■深夜の犬の散歩が原因で騒音トラブルに
Q.調査はどのように行なったのですか?
「まずは夜間に張り込みを行い、犬の散歩をしている住民の特定することから始めました。方法としては、散歩に現れると思われる場所で張り込みをし、疑わしい相手が通りかかるのを待ち構えるというもの。その結果、すぐに相手が見つかったんです」
Q.発見後はどうされましたか?
「相手がわかったあと、次に帰宅先を調べ、住人の住所を突き止めました。そのあと、依頼者から手紙を書いてもらい、探偵社の人間が代わりに住人に手紙を渡しました」
Q.なぜ手紙を?
「手紙には深夜に犬の騒音で寝れないことと、その原因が散歩であること、そしてできれば深夜の散歩を控えてもらうか、コースを変えてもらう旨をお願いする文章が書いてありました。
ただ、差出人については具体的に書いてありません。こうした方法を取るのは、近隣トラブルが大きくなることを防ぐためです。もしも相手がモンスター住民だった場合、直接騒音について訴えても素直に聞き入れてはくれません。
それに、騒音を訴えることで相手から恨みを買ってしまうこともあります。だからこそ、相手に誰から苦情が来たのかわからないようにする工夫が必要になるのです」
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■騒音をやめてもらうには?
Q.手紙を投函した結果はどうでしたか?
「その後、深夜に犬の散歩をする人も、周辺の犬が一斉になることも一切なくなったそうです。じつは多くの方は、本当は周辺に迷惑をかけるつもりなく騒音などの問題を起こしているんです。だからこそ、お願いという形で原因となる行動を辞めるようにお伝えすれば、大半の方は聞き入れてくれます」
Q.苦情を言うより、お願いするかが重要なんですね
「はい。まずは相手に抗議をしないことです。強い姿勢で訴え出て、相手を一方的に攻撃するような姿勢は逆効果でしょう」
姉崎氏は新たに引っ越しを行う際には、必ず近隣で何か問題が起きていないか確認することが大切だと語る。近隣トラブルとは、引っ越した後には回避が難しいものなのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・サナダテツヤ 取材協力/さくら幸子探偵事務所)