芸能人なみ!?スーパーに並んでいる野菜たちは運と実力を兼ね備えたエリートだった!
スーパーの食品売り場には長野産のレタス、茨城産のれんこん、北海道産のじゃがいもなど、日本各地から様々な野菜が集まっています。普段何気なくスーパーで買っている野菜たちは、実は運と実力を兼ね備えた超エリート。
小学生のときクラスにいた運動神経抜群なのに何気に頭もよく、テストもいつも上位の“アイツ”みたいな存在のみが、スーパーに並ぶことができるのです。
今回は、筆者が実際にお手伝いに行ったレタス農家での体験談を例に挙げながら、その理由を説明していきたいと思います。
かわいさだけじゃ、生きていけない
スーパーに並ぶレタスはグラム売りではなく「1個○○円」という売られ方をしています。もちろん、それぞれ多少の誤差はありますが、同じくらいの大きさのものが並んでいます。しかし、畑では当然小さいレタスも育ちます。筆者は「かわいい!」と気に入っていましたが、それは商品にはならないので、ほとんどの場合は破棄に…。
農作業を始める前に、農家のオーナーさんから「これくらいの大きさから商品になるからこれ以上のものだけカゴに入れてね」とサンプルを見せていただきました。
そして、畑で実際に作業を始めたのですが、ケチな筆者は「このくらいの大きさならいけるだろう。捨てるのはもったいない…」という気持ちが出てしまい、微妙な大きさのレタスも含め、全体の3分の1程度をカゴの中へ。
そこからオーナーさんのチェックが入り、なんと3分の1がカットされました! 畑のコンディションにもよりますが、畑(100%)→筆者(約33%)→オーナーさん(約11%)となり、全体の11%しか商品になる可能性がないことに!(※筆者調べ・畑のコンディションにもよる)
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容姿も大事
大きさも重要ですが、見た目も重要なポイントになっています。レタスといえば「なにか隠し持っているのでは?」と思ってしまうような、葉に包み込まれた玉が真ん中にありますよね。
あれがとても需要で、玉になっていないものや、小さすぎるものはどんなに大きくてもNGになります。玉がなくても味は変わらない、むしろものによっては葉が青々しくおいしそうとすら思うものもあるのですが、スーパーに並んだときに形が悪いと売れないので出荷はされません。
「人は見た目じゃない!」と叫びたくなりましたが、冷静に「人ではない」と思い歯止めをかけました。
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刈り手のミスで台無しに…
大きさOK、見た目もOKのレタスでも出荷できない場合があります。その大きな原因のひとつに刈り手のミスが挙げられます。地面から生えているレタスの収穫方法は、地面とレタスの間にナイフを入れてカットするという、言葉にすると非常に簡単に思えますが、実際は意外と難しい作業です。
葉が多いものは切り落とし、目安はそれぞれの方向から3枚に包み込まれるようにとアドバイスをされたのですが、根の部分は非常にデリケートで、たった数センチでもカットをミスすると、無情にも葉が落ちてしまいます…。
基準を満たした実力のあるレタスでも下手くそな刈り手によって台無しになることもあります。どんなに才能があっても、悪い指導者にあたってしまったとき、才能の芽が潰されてしまうように、世間に出るには運も必要というわけです。
このような厳しい基準をクリアして、スーパーに並んだ野菜たち。今回はレタスを例に挙げましたが、他の野菜もおそらくこのような厳しい基準を突破したもののみが出荷されているでしょう。つまり私たちがいつも見ているのは、芸能人やプロスポーツ選手のような実力と運を兼ね備えた選ばれし野菜たち…。今日からより一層、食べ物に感謝する気持ちが高まるのではないでしょうか。
(文/しらべぇ編集部・八木彩香)