犯罪者と同姓同名で二次被害 間違われた本人に直撃したら…
神奈川県相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で、入居者19人が刺殺される事件が発生した。
戦後、ひとりの人間が1日のうちに犯した大量殺人では、過去最多の人数である。犯人の植松聖容疑者は元職員で、「施設を辞めさせられて恨んでいた」とも話しているという。
しらべぇ編集部では、植松容疑者の画像が出回る前に、Facebookの画像にモザイクを入れられ出回っていた「二次的被害者である植松聖さん」に取材を試みた。
■とばっちりの誹謗中傷に
Q.Facebookで「朝から電話が止まらないけど僕は何もしていないからね」と書き込まれていましたが、どのような電話が?
植松さん:「名前の読み方が違うのでびっくりしました」とか「やっちまったか」という連絡がきました。電話、LINE、Facebookから連絡が入りました。
友達は名前の読み方も年も容疑者とはまったく別人だとわかっているので、心配と冗談の半分半分で連絡をくれる感じでしたね
Q.友人や知人以外からの連絡がきたりは?
植松さん:もちろんありましたよ。「人殺し」とか「死ね」とか「クズ」とかいう内容のメールがきましたね。とばっちりの誹謗中傷がきてから、少しFacebookをアンインストールしていました。
Q.他に何か被害などは?
植松さん:Facebookの友達申請がたくさんくるので、うるさくて寝るのに苦労しました。昨日は100件、今日は50件くらいです。
仕事に関しては、営業などではないので直接的に影響はなかったらしいが、今回の事件で同姓同名というだけで少なからず被害を被ったみたいだ。
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■Twitter上でも二次的被害を訴える声
今回の相模原の事件以外にも、犯人と同姓同名だった人たちはどんな二次的被害にあっているのだろうか。Twitter上では…
JKを誘拐した犯人と俺が漢字も完全に一致の同姓同名。
しかも犯人が住んでたのが隣の富士市で年齢も同じ。
そしてSNSを使ってる。俺の知り合いがニュース知ったら犯人が俺だと勘違いされそう…
というか既にされてた。 pic.twitter.com/Kevfj9AR7H
— みーふー (@meeefooo) July 21, 2016
不動産屋さんからの電話「こんだけ保証会社から審査落とされるの初めてですよ!あのー、過去にバラバラ殺人事件とか起こしてません、よね??」って言われてググったら同姓同名の犯人がいたけど、さすがにコレが原因じゃないと思うよ?w
— Yosuke Da Silva㌠ (@Yosukedasilva) April 21, 2016
周りにいじられるのも辛いだろうが、不動産を借りるときに保証会社に疑われるのは迷惑な話だ。
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■名誉毀損で訴えれるのか?
Facebookの画像にモザイクを入れられ出回っていた二次的被害者の植松さんだが、名誉毀損で訴えられるのかを弁護士に聞いてみた。
Q.犯人ではないのにサイトで画像を使われた場合、名誉毀損で訴えられる?
弁護士:ニュースサイトで間違って画像を使われたとかの場合だと、名誉毀損というのは難しいですね。わざと間違った写真を使ってその人をおとしめようとした場合には、差し止め請求や損害賠償請求できる可能性はあると思います。
Q.その影響で、たとえば仕事に支障が出た場合でも難しい?
弁護士:名誉毀損という名目ではなくなりますが、民事で訴えることは可能です。具体的に見てみないと判断できない部分もありますが。
思った以上に、二次的被害者に状況は厳しいことが判明した。SNSが普及する中、こういった事例も増えていくだろう。状況が変わってくることに期待するしかない。
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(取材・文/しらべぇ編集部・ニートgoma)