体罰に借金まで!ひどい毒親の仕打ちがもたらした結果とは
以前の記事、「調査で判明! 毒親が子供におよぼす有害かつ深刻な影響」では、「毒親に育てられた」人は離婚率が高いことが判明。
では、毒親からどんな仕打ちを受け、どのように心に影響したのか。しらべぇ編集部ではさらに調査を続けてみた。
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■毒親行為の実態
「毒親経験者」が記した毒親の特徴や行為等を分類して集計した結果を見てみよう。
・親の自己中心・性格的問題・身勝手…25.1%
・体罰・暴力・暴言…22.8%
・蔑み・否定・愛情不足…21.6%
・子供を支配・厳しいしつけ…12.9%
・両親不仲・離婚・酒乱・働かない等…8.4%
・その他…12.9%
例えば「親の自己中心・性格的問題・身勝手」とは次のようなケースだ。
「子供の頃、親の機嫌が悪いと当たり散らされ、他人の前で事実をしゃべっただけで怒鳴られ、つねられ、散々な目にあってきました。
見栄ばかで自分に不都合なことは隠す親だったんです。何を話せばいいのかわからなくなり、人と話せない子供になっていました」(50代女性)
これ以外も含めた回答を要約すると、自己中心的で気分屋で、気に入らないとヒステリックにキレる親の姿が浮ぶ。親自身の家庭環境や生まれもった性格的な問題などもあるのだろう。
つねるぐらい…と思うかもしれないが、体罰に変わりない。ひどいものでは金属バットで殴られたような事例まで。
「死ね」や「お前なんか生まれてこなければよかった」などの暴言も、心に傷を負わせていた。離婚後に両親の借金を背負わされた人までいる。
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■「子供のため」という思いが過熱しすぎてもキケン
躾や教育熱心が過ぎると、親の指導する言葉が激しくなり、子供は愛情を感じられない。不足な部分ばかり指摘し、マイナス評価を繰り返せば、子供は毒親と受け取ってしまう。
「いつも『あなたが悪い』と教育され、ネガティブなことを言われ続けた。些細な部分も注意されるので挑戦する意欲を阻害された」(20代男性)
「何かにつけて悪いところを指摘し、テストで悪い点数を取るたびに『がむしゃらにやれ』と言われ続けた。ほめられることがなかったので自己肯定感が低くなった」(20代女性)
40代や50代でも同様な回答が見られ、幼児期や学童期、進学期の親の教育や躾がそ長く影響することをうかがわせる。
毒親の影響で、「自己肯定感の欠如」「人間不信」「うつ病」「PTSD(外傷後ストレス障害)」などを訴えた人は回答者の約2割もいるのだ。
では、「毒親経験者」の社会生活や会社などでの活動はどうなのだろうか。
「毒親経験者」は学歴に自信があり、出世の自己評価や年収、住環境などは毒親に育てられていない人と変わらない。一方で人付き合いが苦手なようで、性格や容姿に関するコンプレックスもやや大きくなる。
社会的に問題なく生活できているのに毒親から自己肯定感を奪われたため、現状を楽しみ、あるがままの自分を受け入れる感覚が弱いようだ。
関連記事:【毒親診断つき】人生につまずいている原因は「親との関わり」にある?
■恋人や配偶者に安息を求めている
「毒親経験者」は「親ほど歳の離れた異性と付き合った」経験者が多い。
充足されなかった父性・母性愛を恋人や配偶者に求めていることをうかがわせる結果だ。
子育て中やこれから子供を欲しいと思っている方は、「子供はほめて育てる」を忘れないようにすべき、と改めて考えさせられる。
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(取材・文/しらべぇ編集部・谷葦夫)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年11月20日~2015年11月24日
対象:全国20代~60代男女1,371名(有効回答数)