放送作家は具体的に何をしている人なのか?タマゴたちが憧れる放送作家トップ3
さっそくだが、アンケート結果から見ていただきたい。「放送作家が具体的に何をしているか、知っている(説明できる)人」という質問項目を、10代から60代の男女464人を対象に調査した結果だ。(調査元:マインドソナー)
・YES :17.7%(82人)
・NO :82.3%(382人)
この結果から、「放送作家」という言葉は知っているが、何をしているかはよくわからない人がほとんどだということが推測できる。では、「わからないけど、言葉は知っている」のはなぜなのか? その理由は、一部の放送作家の顕著な活躍があるからだろう。
例えば、秋元康氏。現在はAKB48グループのプロデューサーや作詞家としておなじみだが、40代以上の人なら、秋元氏がかつては放送作家として「ザ・ベストテン」などを担当していたことをご存知かもしれない。ちなみに氏は以前、「放送作家だからこそ『総選挙』をしよう!という発想ができたのでは?」と自己分析していた。これまでのアイドルでは考えられないようなユニークな企画は、AKB48を引っ張り上げたひとつの要因だ。
■クイズ問題を考えるのは放送作家!
秋元氏と同様に幅広い活躍を見せるのが、鈴木おさむ氏。お笑いトリオ「森三中」の大島美幸の夫というイメージを持つ人も多いだろう。テレビ番組のMCを務めたこともあり、秋元氏と並びタレントのような露出をしている放送作家である。
ただ、彼らのように一般認知度の高い放送作家は、ほんの一握りだ。実際は「裏方」の存在であり、「テレビ番組で何をやるか?」をプロデューサーやディレクターと共に悩みぬくのが本業だ。言い換えれば、「ノートPCを携えて会議室で戦う」のがその実態かもしれない。
では、一般的な放送作家の業務内容は何か? わかりやすい事例をいくつか挙げると、クイズ番組の問題作成、ナレーターのための台本・原稿作成、またお笑い芸人のコントや漫才のネタを書いたり、芸人と一緒に作る作家もいる。また昨今だと、「衝撃映像!」などと銘打った海外・国内の短い映像を流す番組が多いが、その映像ネタを探すのも若手の放送作家が務めることがある。
ただ、前述の鈴木氏、秋元氏のように、仕事が多様化する放送作家は少なくない。ある放送作家は、「社会人のなかで一番自由なのが放送作家」と話していたことがある(ちなみにその作家は、格闘家とジャズシンガーという顔を持つ!)。事実、かつて東京都知事を務めた青島幸男氏も放送作家であったし、2014年に「セクハラ野次問題」で時の人になった都議会議員の塩村あやか氏も放送作家の肩書きを持っていた。
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■そもそも放送作家ってどうやったらなれるの?
現役の放送作家の履歴を伺うと、芸人やテレビ制作会社のディレクター(アシスタント含む)などから作家に転向した人、俗にいう「ハガキ職人」としてラジオ番組に投稿を続けた結果、番組ブレインとして参加するようになった人、自身の劇団の公演がテレビ関係者の目に止まり、番組制作に参加したことがきっかけとなった人など、それぞれ。つまり、放送作家になるための決まった方法はない。
ただ、今は「放送作家養成所」を開く芸能事務所がいくつかある。それだけ「放送作家」という職業認知と人気が上がっているのだろう。そこで今回は、ワタナベエンターテインメントが母体の「ワタナベコメディスクール」に通う放送作家の卵たちに聞いた、「憧れの放送作家トップ3」を紹介しよう。
1位:オークラ
2位:酒井健作
3位:元祖爆笑王
一般の方には馴染みの薄い名前が並んだかもしれないが、テレビ関係者なら知らぬ人はいないであろう。
オークラ氏は「第3のバナナマン」とも評されることがあるほど、若き日より彼らと行動を共にしてきた売れっ子放送作家。酒井氏は、最近では「ヨルタモリ」も担当するバラエティ系のベテラン作家。元祖爆笑王氏も「めちゃ×2イケてるッ!」など数々のヒットバラエティで中軸を担ってきている。
テレビ番組も映画と同じで、最後にエンドロールが流れる。その際に「構成」と銘打たれた欄をチェックしてみてほしい。例えばあなたの好きな番組を2つ挙げたとき、両方の番組に同じ作家が名を連ねている可能性も十分にある。そうすると、あなたの嗜好が違った形で見えてくるかもしれない。
(文/しらべぇ編集部・武広しんじ)